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今日読んだもの

鈴木いづみコレクション4 女と女の世の中 ピンクのカバーのシリーズが5冊くらい、ブックオフの100円コーナーに放り込まれていたので買った。これはSF短編集。時間SFミーツGS小説という趣の「カラッポがいっぱいの世界」が最高にグルーヴィー。タイガースやカ…

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新・世界の七不思議 / 鯨統一郎 待望だったはずなんだけど、ここ数年に出たこの人の小説を読んでるうちにいつのまにかどうでもよくなっていたシリーズ第2弾。相変わらずのアクロバティックな論理と珍解釈、宮田と静香の毒舌の応酬はやはり他では味わえない世…

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リピート / 乾くるみ グリムウッドの「リプレイ」をさらにひねった設定の時間テーマSFに殺人と謎解きを絡ませたミステリ小説。青年マンガ誌に載ってそうなハナシでグイグイ引き込まれて一気読みできる一冊。星新一とか小林信彦とか昭和中間小説っぽい装丁も…

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ビニール・ジャンキーズ レコード・コレクターという奇妙な人生 / ブレット・ミラノ ダーク・サイド版「ハイ・フィデリティ」という感じのディープなエピソードが並んでて、読んでて気が重くなる本だけど止められなくて一気に読んでしまった。同じコレクター…

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グロテスク / 桐野夏生 東電OL殺人事件をネタにしたディープな犯罪小説。なんとなく感じてた、女性として生きるということの苛酷な面を突きつけられる思い。女子高とか小中高一貫校とかの文化って全く無縁だったんで、学園時代の描写がすごく面白かった。途…

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イニシエーション・ラブ / 乾くるみ 読み終わった瞬間は全く分からなかった。「目次から仕掛けられた大胆な罠、全編にわたる絶妙な伏線、そして最後に明かされる真相」という惹句がなかったら気がつかないままだったかも。いかにも80年代のキャンパスに溢れ…

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マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一 / 猪瀬直樹 明治大正期の大文豪たちがひたすら人間臭い会話や行状を繰り広げる、山田風太郎の明治物を読んでるような感じの評伝小説。一気に読んでしまった。川端康成というと、その名前を知ったときからノーベル賞作家と…

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電脳娼婦 / 森奈津子 帯にもあとがきにも結構エロ色強めの作品集と強調されてるけど、ポルノそのものだったこの間の「姫百合」とかに比べるとかなりSFマインド溢れるアイデア・ストーリー集という印象。キャラクター設定が素晴らしい、超能力ネタの中編なん…

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渋谷色浅川 / 笙野頼子 01年。「てんたまおや知らズどっぺるげんげる」は途中で投げ出してしまったけど、この本は読みやすい。無限にエスカレートしていく妄想が抑え気味でほとんどエッセイみたいに安心して笑って楽しめる。「英語」を習得しようとしかけて…

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800 / 川島誠 ブックオフでまとめて購入。これは爽快でほんの少しほろ苦い青春小説。レース・シーンの臨場感が凄い。会話のテンポも気持ち良い。 もういちど走り出そう / 川島誠 同じく陸上競技ものなんだけど、30代半ばの男が主人公のこっちはかなり重い。…

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キマイラの新しい城 / 殊能将之 名探偵石動シリーズの新作。やはりこのシリーズは探偵役とワトソン役の独特の関係性が魅力的で楽しい。今回は中世ヨーロッパ世界が舞台になってて、これまでに比べて個人的にはあまり興味が持ちにくい題材だったんだけどキャ…

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タイムリープ あしたはきのう / 高畑京一郎 今関あきよしの映画が凄く面白かったのを覚えているけど、原作がこれだけ良く出来た物語だったら、映画も面白くなって当然という感じの傑作青春SF小説。時間テーマのSFとしてすごく緻密に出来てる。最近のライトノ…

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エースを出せ! 脱「言論の不自由」宣言 / 日垣隆 サラっと立ち読みして「天声人語」の文章をあげつらった第1章が笑えたんでそのまま買って帰ったんだけど、全体的にはかなり骨太な批評集。徹底的に取材した上で書かれた文章はかなり説得力がある。精神障害者…

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銀盤カレイドスコープ Vol.1〜3 / 海原零 集英社スーパーダッシュ文庫。「ヒカルの碁」のフィギュア・スケート版みたいな(微妙に設定は違うけど)小説。あのマンガに通じる痛快なスポ根ドラマでグイグイ引き込まれる。何より競技シーンの臨場感が素晴らしい…

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片想い / 東野圭吾 「性同一性障害」についてかなりリアルな知識を得ることができる小説。勉強になります。しかしSMAPの"夜空のムコウ"をこの人が小説にするとこうなるのか。あの曲が持つほろ苦いノスタルジーをベースに、先の読めない技巧に満ちたミステリ…

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涼宮ハルヒの消失 / 谷川流 学園SF。こういうアイデア・ストーリーは大好き。シリーズ物は一気に読むより間隔を空けて一冊ずつ読んだ方が良いのかな。

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神は沈黙せず / 山本弘 これまで読んできた「ベストSF2003国内編」エントリー作品のなかでは個人的にはダントツにベストの読み応え。「神様のパズル」に通じるテーマだけど、文章が科学素人にも分かりやすくて、おかげでサプライズ・エンディングを思い切り…

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撲殺天使ドクロちゃん?〜? / おかゆまさき 今週読んでたもの。マンガを読んでるような感覚のギャグ小説で、こんな小説はこれまで読んだことがなかったので最初はかなりインパクトがあった。ただ慣れてくるとだんだん退屈になってきたので、シリーズものは1…

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学校を出よう?〜? / 谷川流 今日読んだというか今週ずっと読んでいたシリーズ。使い古されたSFネタを一ひねりしたシンプルなストーリーの「I-MY-ME」と「The Final Destination」が自分好み。探偵小説的な意匠が顔を覗かせる他の2作は途中眠くなってしまった…

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第六大陸 / 小川一水 「月に建物を建築する」という話を、ハードSFと企業小説とロマンスが一つになった骨太なエンタテインメント小説として読ませる。前半は淡々としてる感じだけど後半がかなり熱い。最近は2003年ベストSF国内編を1冊づつ読んでるんだけどハ…

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涼宮ハルヒの憂鬱 / 谷川流 今日もライトノベル。これも面白いなあ。異常なキャラクターに囲まれた唯一まともな主人公が周囲に翻弄されるコメディなんだけど、翻弄されつつも冷静に突っ込む独特の文体が最高。

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イリヤの空、UFOの夏 / 秋山瑞人 ジュブナイル学園SFの雰囲気と男子中学生っぽい妄想爆発なラブコメ・テイストが懐かしくも甘酸っぱくて4冊一気読み。第4巻のシビアな展開に「マルドゥック・スクランブル」を思い出したり。ライトノベルってほとんど未知のジ…

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検察側の論告 / 佐藤亜紀 書評集。名前は知っていたけどこの人の小説は今まで読んだことなかった。しかしこんなに痛快な毒の持ち主だったとは。とにかく冒頭の「ゲームの規則」という小文にはかなりショックを受けた。長くなりそうなので引用はしないけど、…

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鏡の中は日曜日 / 殊能将之 「ハサミ男」以来のトリッキー作。帯の文章も含めてトリックになっているのでこれは新刊で買わないと面白味も半減してしまう。

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神様のパズル / 機本伸司 ヘヴィーなテーマを物理的に追求する爽快青春小説。ここに書かれている「宇宙の作り方」はほとんど理解出来なかったけど、それが解き明かされていく(ように見える)過程は、分からないなりにスリリングに感じた。「結果だけ鵜呑み…

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黒い仏 / 殊能将之 第3作。前作とはまた雰囲気が変わって、今度は伝奇趣味をスパイスにしたお手軽なキヨスク・ミステリ風で、途中まで読むのが辛かった。さすがにこの人の小説はこれで打ち止めにしようかと思ったけど、終盤、予想もつかないデタラメな展開に…

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美濃牛 / 殊能将之 第2作。今度は横溝正史を思わせる古式ゆかしい探偵推理小説。味わい深い文章が綿々と連なり、とにかく読んでいて心地良い。前作ではXTCの曲が引用されていたけど、今作ではコール・ポーターを初めとしたアメリカン・クラシック・ポップス…

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ハサミ男 / 殊能将之 なんとなく読みはじめたら一気にラストまで行ってしまった。いろんな方法で自殺を試みては常に失敗している連続殺人犯が、自分の中のもう一人の人格とコンビを組んで殺人事件の謎を解明する、という冗談みたいな設定なんだけどグイグイ…

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だれが「本」を殺すのか / 佐野眞一 「東電OL」はネパール編で挫折して放り出してしまったんだけど、この本はリーダブル。版元-流通-書店という「本」の流れから始まり、図書館、リサイクル書店まで「本」のビジネスに関する全体像を俯瞰できる良質なルポル…

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剣鬼喇嘛仏 / 山田風太郎 読了。「春夢兵」は最近読んだ斎藤貴男の「機会不平等」をつい思い出してしまう優生思想ネタの奇想忍法小説。「甲賀南蛮寺領」は忍法モノでありながら忍法がすべて失敗するという意表をついた趣向。ラストのオチが最高。