今日聴いたもの

残照 / 寺尾紗穂
'10年。ティンパン系女性SSWっぽい安定感のある作風と、毒の効いた歌詞が同居した面白さは相変わらず。特に、"あなたの景色"や"過ちの第一レーン"といった、一聴、グルーヴィーでお洒落な曲で時々ひょっこり飛び出すフレーズの鋭さに思わずドキッとさせられる感覚がすごく魅力的。そのメロディーとコトバの拮抗具合がある種極限まで行った、放送禁止歌路線の"アジアの汗"と"家なき人"は、どちらもふんわりしつつ、ジワリと迫ってくる名曲。
WILD FANTASY / Carnation
'06年。全編、ラウドでメロウなギターロックでまとめた、とてもシンプルな印象のアルバム。サビの泣きメロにグッとくる"オフィーリア"をはじめ、骨太な演奏とのコントラストで、さりげなく捻くれたメロディーのフックが際立って聞こえる曲が多数。特にお気に入りは、ジャクソンファイヴ風の溌剌ファンキーロック"SOUL POWER"に、ワンコードファンクからのサビの美メロ展開が鮮やかに決まった"Butterfly"、ゆったりグルーヴする演奏が心地イイ"Lady Lemonade"など。