今日聴いたもの

Estudando o Pagode / Tom Ze
'06年。トン・ゼーは、これまで何枚か聞いてはいたものの、ちょっとクセが強過ぎる感じであまりハマりきれなかったんだけど、この「パゴージ学習〜オペレッタ女性差別と愛』」は最高。変な音が飛び交い予想外の展開を見せる、ストレンジで尖鋭的な音楽性と、オーガニックなブラジル音楽とが絶妙に調和した濃い曲ばかりで、オペレッタ作品ということで女性ヴォーカル曲が散りばめられていることもあって、16曲入りの大ボリューム盤ながら、まったく集中力が途切れず聞きとおせる感じ。何よりスッと染みるメロディーの曲が多いのが魅力。
基本的に捨て曲など1曲もないんだけど、美メロと狂気に満ちた男女掛け合いスタイルのファンキー・アフロサンバ"Quero Pensar (A Mulher De Bath)"や、爆発音で終わるムシ声コーラス入りのヘンテコなサンバ・フォーキー"Pagode: Enredo Dos Tempos Do Medo"、中近東風なエキゾティックなメロディーのサンバ・ファンク"Vibracao Da Carne"、女性ヴォーカルによる哀愁サウダージなお洒落ボサが徐々に不穏なムードに侵食されていく"Prazer Carnal"、ドラマティックに展開するトン・ゼー流男女混声ミュージカル・ポップ"Beatles A Granel"あたりは、特に強い印象を受ける名曲。