今日聴いたもの

色々/ 倉橋ヨエコ
'07年。何と言ってもグルーヴィーな70年代風ブラスロック歌謡"損と嘘"が最高。キャッチーなメロディーばかりをツギハギしたような作りでどのパートもグッとくる。とはいえこの路線はこれ1曲だけで、あとは小島麻由美風なスウィング歌謡に椎名林檎みたいなべらんめえなやさぐれグランジ歌謡、さらにaikoを思わせるベンフォールズ歌謡や王道J-POPな桜ソング風など、一聴した感じ多彩というより何でも出来る器用な人という印象で、あんまり面白くないような気がしたんだけど、どの曲にも必ず仕込まれているメロディーのフックに惹かれて何度か聞いているうち、そのどこか自虐的な個性にだんだんハマってきて、そうなるとどの曲も響いてくるから不思議。特に"白の世界"という曲とかかなり染みる。
解体ピアノ / 倉橋ヨエコ
'08年。上のアルバムとは違って、こちらは独得の個性がグイグイ迫ってくる感じで、時に歌唱スタイルが狙いすぎに聞こえる嫌いもあるんだけど、どの曲もメロディーが良いのでスルッと聞きとおしてしまう。前作でも見え隠れしていたに矢野顕子っぽさが前面に出た春咲小紅のオマージュ風の"春待ちガール"に、牧歌的なプログレッシヴ・ピアノポップ"電話"、独得の僻み節が全開なファンキーなやさぐれ歌謡"裏目の女"に、ダンスホールなMCに意表を突かれるダイナミックな打ち込みスウィング歌謡"友達のうた"など、特に前半のたたみかけるような流れがカッコイイ。ラストのエキセントリックでありつつ泣けるピアノバラード"輪舞曲"もかなりお気に入り。