今日聴いたもの

みんなのうた3 / ミドリカワ書房
'08年。日本のフォークやニューミュージックのお約束っぽいメロディーやアレンジをあれこれ引用したような楽曲に、三面記事やホームドラマケータイ小説風の散文的な歌詞が乗る独得の作風に磨きがかかって、割とムラのあった「1」「2」に比べてもグッと安定して楽しめる1枚に。一番のお気に入りは、アコギのカッティングが気持ち良いシティポップ・グルーヴな"私の恋愛"で、他にも字余りフォーク調の歌に巧みに美メロを織り込んだ"ごめんな"や"春よ来るな"、マイナーフォーク調ラウドロックで歌詞のディープさが突き抜けている"おめえだよ"とか、こういう「面白い」歌詞を自然に「イイ曲」として聞かせるセンスに感心。曲間コントは最後の"耳 for You"が好き。
みんなのうた 4"ever" / ミドリカワ書房
'10年。今回はどちらかというと三面記事的なネタは抑え目に、時事ネタを取り入れつつ市井の人々の人生の機微を描いたような歌が中心になっている感じで、中には"妹の日記"というとても繰り返しては聞けないド級の「泣かせ曲」もありつつ、割と普通のコミックソングや恋愛ソングに聞こえてしまう曲もいくつか。引きこもり少年少女の会話が切ないファミコン音入り電子フォーク"大丈夫"、次第に盛り上がるアーシー・フォークロックに乗せて時間の流れを巧みに表現した歌詞が素晴らしい"夢が叶った男"、爽快な疾走ピアノポップの"さらばグッバイ"とか、面白くてフックの効いた、適度な曲がやはりお気に入り。