今日聴いたもの

ことの は / 小谷美紗子
新作。冒頭、"日めくり"のポストロックな疾走リズムにファルセットな歌声がかなり新鮮。さらに、タイトルどおり自身の「青い」作風を真正面から表現したような歌詞が染みる、ゆったりテンポのピアノロックの"青さ"、解放感に満ちたサビの展開が気持ち良い"線路"と、ここ最近では突出してポップな曲が揃ったミニアルバム。ラストのピアノバラード"手紙"も牧歌的なメロディーにみなぎるエモーションが迫ってくる名曲。
クロなら結構です / モーモールルギャバン
新作。基本路線は前作と変ってないけど、今回はちょっと60年代テイストというか昭和レトロな雰囲気が目立つ感じ。何と言ってもキャッチーでフリーキーなNWロックンロール"ユキちゃんの遺伝子"と"裸族"のクールで馬鹿馬鹿しい感じ。この路線が一番好き。一歩間違うとかなり痛々しい結果になりそうな際どいラインをあえて綱渡りする"パンティー泥棒の唄"のリスクテイクな姿勢もすがすがしい。
ごめんね、私。 / 南波志帆
新作。舌足らずな声の甘酸っぱさが増してよりアイドルポップ的な佇まいに。ミュージカル風のイントロから爽快な産業系ピアノ・ポップに突入する"ごめんね、私。"に、デリケートな美メロに胸が締め付けられる弦楽エレポップ"スローモーション"と続く冒頭2曲の流れで一気に期待が高まるんだけど、前作の提供曲があまりに素晴らしかった堀込高樹作品のキレが今回は今ひとつに感じられて、あと、同じく前作で光っていたユーモラスな路線の曲もなくなってしまって、ちょっと個人的には不完全燃焼で終わってしまった印象。