今日聴いたもの

Otto Spooky / Momus
'01年の「Folktronic」というアルバムがかなり気に入っていたにもかかわらず、ここ数年ついご無沙汰してしまっていたモーマスの'05年作。多彩な音楽がコラージュされたなかなかひと一言では言い表しづらいカオスな音楽性の1枚なんだけど、ドローン音響をバックにしたダウナーな呟きヴォコーダー・フォーク"Sempreverde"をはじめ、ヨーロピアン・デカダンな"Life of the Fields"、サーカス音楽的な"Robin Hood"、アシッドなジャカ弾きナンバー"Mr Ulysses"といった、初期の作風を思わせるロマンティックでエキゾティックなモーマス節が聞けるだけでとりあえず満足。牧歌的ひねくれポップス路線の"Lady Fancy Knickers"や"Belveder"、中近東風の"Lute Score"あたりの中盤の流れが、多分、偶然ムーンライダーズみたいになってて面白い。
Joemus / Momus
'08年作。ジョー・ハウという電子系ミュージシャンと組んだアルバムで、全編ファニーな電子音が散りばめられている1枚。ドタバタしたブレイクコアにいつもの美メロが乗る1曲目の"Birocracry"から、ダルなキャバレーソング風の"Widow Twanky"、狂った展開を見せるストレンジなブレイク・コアモダンポップ"Mr Proctor"と続く冒頭の流れがかなりキャッチー。けど次第に迷宮をさ迷うようなバラエティ展開を見せ始めるのは相変わらずで、そして、やはりそんな中にも、ペリキン・ミーツ・ジザメリな趣の"Jahwise Hammer of the Babylon King"に、キュートな女性ヴォーカルをフィーチャーしたドラマティック電子フォーク"Dracula"、70年代のノスタルジック系SSWを思わせるオールドタイミーなバラード"Man You'll Never Be"とか、意表突かれるイイ曲があちこちに。