今日聴いたもの

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 75・76 Girls 青木美冴・秋本圭子・有吉ジュン / V.A.
ソニーのマイナー・アイドルのシングル全曲集。3人とも以前出ていた「アーリー70´sフィーメイル・アイドル・コレクション」というコンピに何曲か収録されてたと思うけど、秋本圭子の"蝶"以外はほとんど印象に残っていなくて、ほとんどどの曲も初めて聴く感じ。
パンチとコブシの効いた歌声と乙女チックな歌詞とのギャップが印象的な青木美冴の曲群は、ふてぶてしいやさぐれ系清純アイドル歌謡とでもいうべき独特の個性があって、中でも一番気になるのが「松本隆穂口雄右」コンビによる"16才のメッセージ "。なんというか完全にロンバケを先取りしたような爽快清涼アレンジに思わずクレジットを確認してしまう'76年発売のプレ・ナイアガラ歌謡。
甘酸っぱい舌足らず声とファンタジック・エロな歌詞との組み合わせにキュンとくるメロウ・ディスコ歌謡傑作"蝶"がやはり強烈な秋本圭子は、しかし、初めて聞いた「なかにし礼-宇崎竜童」によるラストシングル「あなたはどこの誰ですか / 花泥棒」も実に素晴らしい。大人になって再会したかつての美少女クラスメイトから赤裸々な不倫話を聞かされているような気分になるアダルトなディスコ・ロック歌謡"あなたはどこの誰ですか"、一聴、太田裕美系のちょっとフォーク・テイストの清純アイドル歌謡なんだけど何気にビッチな歌詞にしびれる"花泥棒"、この2曲は個人的に今盤最大の収穫。
有吉ジュン作品は、オールディーズポップスからスナック歌謡調まで、典型的な70年代アイドル歌謡スタイルをいろいろ模索してる感じで、お気に入りは、甲斐バンドっぽいマイナー・スウィング歌謡"メモリー・グラス"、水っぽさと洗練が同居した感じが魅力なディスコ・ロック歌謡"ピアノブルー"、ダンプという素材が新鮮なオールディーズ調の"黄色いダンプ"といったあたり。