今日聴いたもの

Doing Dark Side of the Moon / The Flaming Lips & Stardeath And White Dwarfs
新作。ピンクフロイドの「狂気」を、オリジナルの恐ろしく洗練された音作りとは対照的な、ファズギターやファズベース、フィードバックノイズがうなるプリミティヴなガレージ・サウンドでカヴァーしたアルバム。そのくせ、ヴォーカルはやけに忠実に原曲のメロディーをなぞっていて、それがなんとも不思議な感覚。ピンクフロイド版では一番のフェイバリットで思い入れの強い"On The Run"は最初イマイチかなと思ったんだけど、そのジャーマン・サイケっぽい覚醒ミニマルロックな仕上がりがだんだん気に入ってきた。逆に"Money"のヘナチョコな電子サイケロック風なカヴァーは苦手だったオリジナルヴァージョンよりはるかに好き。一番笑ったのはなんかヤケクソっぽい絶叫スキャット入りの"The Great Gig In The Sky"。そして"Any Colour You Like"以降のラストのクライマックスはさすがに見事な解釈。
Cosmogramma / Flying Lotus
新作。短い曲が矢継ぎ早に飛び出し、めまぐるしく展開するコズミック・エレクトロ盤で、先鋭的なドタバタ・ブレイクビーツとノスタルジーを喚起するチープな電子音や流麗なストリングス・アレンジの組み合わせにクラクラ。何より要所要所で鳴り響くレベッカ・ラフのハープが独特の柔らかい雰囲気をアルバムに漂わせていてイイ感じ。特にインパクトが強かったのが、サンダーキャットという人のバカテク・フュージョン系高速ベースフレーズをフィーチャーした"Pickled!"に"Dance Of the Pseudo Nymph"、タイトルどおりリズムトラックにピンポンの音を使用したストレンジなダウンテンポ・ポップの"Table Tennis"。フリージャズ路線の"Arkestry"や"German Haircut"もカッコイイ。