今日聴いたもの

Do The Bossa Nova + Latin Fever / Herbie Mann
ライノから'00年に出た'64年のアトランティック盤の2in1再発。バーデンパウエルの波状ギターがたまらなく心地良い"Deve Ser Amor"ではじまる「Do The Bossa Nova」は、アクセント的に派手なストリングスやホーンを交えつつも、基本的にはオーソドックスなジャズ・サンバ〜ボサ演奏でまとめられていて、同じくバーデン・パウエルの"Consolacao"、ジョビンの"Amour Em Paz"に"One Note Samba"といった簡素なギター&フルート・ボサ曲が特に素晴らしく、何と言うか寝起きに飲む水のように体に染みとおってくるような感覚に、改めてブラジル音楽の魅力を再発見させられる感じ。
対してやや下世話なイージーリスニング感覚の「Latin Fever」は、昭和40年代の軽音楽的な佇まいのリラクシンな雰囲気が漂わせつつ、女性コーラス入りの"Not Now-Later On"や黒いグルーヴがうねる"You Came A Long Way From St. Louis"といったヒップなブガルー・ジャズなんかも織り交ぜてダレさせない構成で、ラテンのはずがブラジル人作曲家のカヴァーばかりのアルバム後半も、セルジオメンデス作の急速調ジャズ・サンバ"Groovy Samba"のルパン三世的なお茶の間感覚のお洒落ムードなど、「Do The Bossa Nova」とはまた違った魅力が。