今日聴いたもの

As the World Grits / Grits
'93年にCuneiformから出た70年代前半のデモ音源集。カンタベリー〜レコメン的なひねくれたセンスとカラッとしたアメリカン・ハード・プログレ指向が同居したなかなか独特な音で、知的で洒脱だったかと思うと次の瞬間には無性に暑苦しくなったりする微妙なバランス感覚が面白い。白眉は、音の宝石箱のようなキラキラしためまぐるしい展開が個人的なカンタベリージャズロックのイメージど真ん中な"Never Mind"から、スティーリーダンのハード目の曲を思い切り屈折させたような"Hyattsville Hospital"と続くあたり。女性ヴォーカルのバーバラ・ガスキンを思わせる柔らかな歌声も魅力的。
Living in the Streets / Kim Fowley
'77年発売の70年代初期音源コンピ。前半は爬虫類系のいかがわしいヴォーカルがグラマラスに響くロックンロール、後半はブルージーなアコギ弾き語りという構成で、どちらもカッコイイ。特に、グラムなクラッシュという趣もある"Motorboat"にはじまり、甘酸っぱいパワーポップ風の"25 Hours a Day"、ワイアードないかがわしさに満ちたロカ風ブルースロック"Big Bad Cadilac"、ザ・トリッピーな雰囲気の"Man Without a Country"、鶏の鳴声や妙に陽気なコーラスがバカバカしい"California Summertime"など、次々にたたみかけるアルバム前半の流れが最高すぎる。