今日聴いたもの

Ubiquity / Roy Ayers
'71年。スピリチュアルなサイケ・ジャズからニューソウル、そしてイージーリスニング・ジャズまでが渾然一体となった、初期クロスオーヴァーならではのジャンル未分化な雰囲気がたまらない1枚。"Ain't No Sunshine"を軽快にしたような1曲目の"Pretty Brown Skin"や、男女コーラスによるブルージーなテーマ・フレーズが格好良いダウナー・ラテンジャズ"Hummin'"など歌物がどれもイイ曲ばかりで、それだけでうれしくなるんだけど、さらに浮遊感のあるミニマル・グルーヴが心地良い8ビートジャズロックの"Love"やアッパーなリズムとクールなベースラインの組み合わせがヒップな疾走ナンバー"Can You Dig It?"などインスト物も粒揃い。ノイジーなエレピがちょっとカンタベリー風でまたカッコイイ。
Change Up the Groove / Roy Ayers Ubiquity
'74年。ねちっこくグルーヴするタイトル曲や躍動感あふれるファンキー・ジャズロック"Fikisha (To Help Someone Arrive)"、ブレイクビーツっぽい"Boogie Back"などグッとファンク濃度が上がり、ワウギターをフィーチャーした"When Is Real, Real?"ではジミヘンっぽい感覚もあって、相変わらず清涼感のあるヴァイブの音色を響かせつつもどこか濃厚な耳ざわり。個人的には、鮮やかに転調を繰り返す美メロとゆったり漂うミスティックなハーモニーがあまりに素晴らしいソフロ・ニューソウル傑作"Sensitize"や風を切るような疾走感が心地良い"Don't You Worry 'Bout a Thing"、陽だまりメロウな"Feel Like Makin' Love"といったイージー路線の曲により惹かれたりして。