今日聴いたもの

The Unreleased Album / Pandamonium
数枚のシングルのみで活動を休止したという60年代の英国ポップグループの未発表アルバムの発掘盤。Radioactiveから。ジャケは男性二人組っぽいんだけど、全編に渡って清涼な男女混声ハーモニーが聞けて、多分にソフトロック的な音楽性。なんといっても1曲目のGSっぽい哀愁ガレージ・ソフトロック"I Know You"が最高で、そこからグルーミーなサイケ・ピアノポップ"It's A Long Time"に、ファズギターと逆回転ギターのアンサンブルに頭がグルグルしてくるジャジーなフォークロック"I Am What I Am"と続く冒頭3曲はかなりお気に入り。カントリー風味のちょっといなたい曲が中心の後半はやや失速していく感じがあるものの、全体に程良く下世話なイイ曲が揃ったなかなかの良盤で、未発表に終わったのはもったいないかも。
The Truth / D.R.Hooker
コネチカットのSSWが'72年に発表したアルバムに79年の2nd収録曲を追加した、Subliminal Sounds再発盤。冒頭、耳をつんざくノイジーなムーグが鳴り響くストレンジ・ガレージロック"The Sea"のインパクトがとにかく強烈。でも個人的により惹かれるのは、独特のクールな爬虫類系ヴォーカルがすごくハマっているミッドテンポ〜スロー系の曲で、特に、雷鳴SEとヴィブラフォンをフィーチャーした"Weather Girl"や、やたら凝ったオーケストラル・アレンジが施された"Forge Your Own Chains"、泣きの入ったドラマティックなメロディーが印象的な"The Truth"といったダウナー・サイケ・ナンバーの、その怪しいんだかお洒落なんだか分からない異様な雰囲気がたまらない。2ndではちょっと音楽性が整理されて、1stの魅力だった、焦点がどこにあるのか分からないような掴みどころの無さがやや薄れている感じ。