今日聴いたもの

At War with the Mystics / Flaming Lips
06年。70年代のビートリッシュパワーポップや60年代サイケなどの意匠をカラフルに散りばめつつ、どうしようなくヘロヘロなインディポップ。なんだけど、それを、つかみどころのないストレンジ・ポップで終わらせないのは、ファニーなコーラスが印象的な"YeahYeahYeah Song"をはじめ、トッド・ラングレンのメロウ・サイドの名曲群を思わせる"Sound of Failure"、鳥のさえずり入りのブライアン系グルーミー・ポップ"My Cosmic Autumn Rebellion"、抑制の効いたハーモニー・ポップ"Mr Ambulance Driver"といった要所要所に置かれているキラーな美メロ曲の存在。おかげでつかみどころのないヘンテコな楽曲群も散漫にならずにすんなり聞けてしまう絶妙な構成。ラストのプレAOR風のピアノ・ポップ"Goin' On"なんかはまるでキリンジみたい。
Pockets / Karate
04年。前に聞いた「Some Boots」に比べるとブルージーな感触が増して、もともとのジャズ・テイストもあいまって、ハードボイルドなポストロックというか、なんとも独特な雰囲気に。特にジワジワと高揚するダウナー系哀愁ロック"Water"や、ダビーなベースがうねるダウンテンポ・ギターロック"Alingual"、お疲れムードのメランコリックチューン"Pines"など、クリアで透明感のあるポストロックでありながらタバコの煙が似合うようなブルージーさをまとっているような風情がちょっとイイ感じ。もちろん"With Age"や"Tow Truck"といった馴染みのポリス的なポストパンAOR路線も最高。