今日聴いたもの

Visions of the Emerald Beyond / Mahavishnu Orchestra
ジョン・マクラフリンを中心にした米国ジャズ・ロック・バンドの75年作。カッチリとアレンジされたサービス満点の曲構成、オリエンタルでスペーシーな雰囲気を醸し出しつつ、ハードロッキンなジャズ・ロックからファンク、シンフォ、ニューエイジまで、コンパクトにまとめられた多彩な楽曲でテキパキ進行するアルバム構成など、「火の鳥」あたりと比べても随分キャッチーな、ほとんどプログレ・エンタテインメントという印象。全編で繰り広げられるマクラフリンのギターとジャン・リュック・ポンティのヴァイオリンによるソロ合戦ももちろん楽しいけど、個人的には、冒頭の組曲"Eternity's Breath, Pt.1"〜"Eternity's Breath, Pt.2"をはじめ、高速疾走チューン"Be Happy"、アグレッシヴなスペース・ジャズロック"On the Way Home to Earth"などで炸裂するナラダ・マイケル・ウォルデンの雪崩打つようなドシャメシャ・ドラム・プレイにシビれる。
Dub It ! / Earl "Chinna" Smith
ソウル・シンジケートのギタリストのソロ名義での83年作。鋼のようなベース&ドラムを中心としたストイックな音空間にメタリックで尖ったギターが絡む硬質なアンサンブルは、時代柄かちょっとポストパンク〜ニューウェイヴっぽい雰囲気。そんな先鋭的なサウンドに挿入されるラヴァーズなピアノ・フレーズにグッとくる"Everytime Eye Ear De Dub"やカリビアンテイストが心地良いエキゾティックなイージー・ダブ"Naw Dub"、哀愁コーラスをフィーチャーしたウエスタン映画サントラ風の"Whe Mi Dub? (Alternate Mix)"など、モノクロームなトーンの中で時折見せるポップな色彩感がイイ感じ。もちろんスピリチュアルな土着系ダウンテンポ・トラック"Whe Mi Dub?"などで繰り広げられるとことんダウナーな世界もカッコイイ。