今日聴いたもの

謡曲番外地 東宝レコード女優編〜不良少年-さすらい- / V.A.
70年代初めの東宝レコード音源を集めた、2枚同時発売の歌謡コンピの1枚。割とメジャーな人を中心に5人の女優の音源で構成された「不良少年-さすらい-」編は、全体にやや薄味の清純歌謡が目立つ感じで、結果、青木英美のやさぐれダウナーな個性が際立つ結果に。"恋のハレルヤ"っぽいメロディーをマカロニ・ウエスタン劇伴風アレンジでドラマティックに聞かせる"不良少年 -さすらい-"に、同じく西部劇風の雰囲気の、荒涼としたフォーキー歌謡"淋しさを残して"、そしてアシッドなフルートをフィーチャーした"朝がしらじら明けるまで"にヨーロピアンな"ひとつの年のかわりめに"というタイトルも格好良いニューロックグルーヴ歌謡な2曲など、どれも格好良くてイイ曲。あと、シングル2枚両面を全て朗読曲で通した内藤洋子も独特の存在感があって、中でもグルーミー・フォーキーなアレンジが洒落ている"海と空と私"がお気に入り。
謡曲番外地 東宝レコード女優編モア〜あなたって凄いのね / V.A.
こちらはマイナーな人も含めて8人の女優の音源を収録した「あなたって凄いのね」編。キュートな歌声にキュンと来る筒美京平作の乙女チック清純歌謡"恋人たちの場所 / 聖ミカ"に、お茶の間A&Mテイストの"明日の午後ならいいわ / 松島トモ子"、マゾヒスティックな歌詞がイカすハードなブラスロック歌謡"あなただから許せるの / 鹿島とも子"など、ちょっとクセがあったりキャッチーなフックが効いてる楽曲が散りばめられていて、1枚通してダレずに楽しめるという意味ではより充実してるかも。
特に印象に残ったのは、80年代の火曜サスペンス系を先駆けたようなヨーロピアンな哀愁フォーキー・グルーヴ歌謡の"私は私の知らない女になったの"、ダウナーかつ洒脱な美メロ・ボサ・ロック"幸せの涙"、そして疾走ガレージな"ナオミの夢"のいぬいなおみと、不思議な味わいのエキゾティック歌謡"13日の金曜日"にお色気ムードラテンな"横をむいちゃいや"、幸薄そうな物寂しいムードが染みるフォーク歌謡"天使のともしび"と"涙の星・愛の星"の松村幸子。