今日聴いたもの

Veckatimest / Grizzly Bear
09年。ブルックリンのバンド。まったりとドラマティックな展開を見せる1曲目のプログレッシヴ・フォーク・ロック"Southern Point"を皮切りに、ポップなんだけど掴みどころのない奇妙な曲が次々に。ちょっとマッカートニー系のメロウなフォーキー・ポップを基調にしつつも、いろんな物がくっついてキメラ状態になったような、なかなか一言では形容しがたい不思議な音楽性で、ちょっとブライアンが入ったハーモニー・ピアノ・ポップ"Two Weeks"、ヒッピー・シューゲイズな"Fine for Now"、60年代風のグルーミー・ハーモニー・ポップ"Cheerleader"、サーフっぽいギターリフをフィーチャーした浮遊感のあるギターロック"Ready, Able"とか面白い曲がいろいろ。ベストトラックはゆるいダウナー・ギターロックが合唱コーラスやシンフォニック演奏を絡めて、いつのまにかダイナミックなヘヴィロックになる"I Live With You"。
Bitte Orca / The Dirty Projectors
09年。こちらも同じくブルックリンのバンドで、やはり掴みどころのないストレンジ・ポップな音楽性。マーク・ボランっぽい爬虫類系の男性ヴォーカルと女性ツイン・ヴォーカルによる凝ったコーラスワークの絡みが印象的で、なんとなくフォークがベースになっているようには思えるんだけど、しかし変拍子ヘヴィロックから90年代R&Bにアフロポップ、そしてノーウェイヴと、グリズリー・ベアー以上に極端な振れ幅。ディスコグラフィーによると、これまでイーグルスの「Greatest Hits vol.1」やブラック・フラッグの「Damaged」をテーマにしたアルバムを作ってきたとか書いてあって、本当に訳が分からない。もはやどの曲がどう、とかいうようなアルバムではないような気もするけど、上に挙げたような音楽性をうまく整理して凝縮したような"Useful Chamber"や"Bride"に、ペットサウンズ・ミーツ・アフロな"Remade Horizon"、シェリアン・オーファンを思い出す流麗な室内楽フィメールフォーク"Two Doves"などかなりイイ。