今日聴いたもの

はじめまして、私 / 南波志帆
08年。矢野康博プロデュース。ジャジーウッドベースが格好良いファンキー・シティポップ"サンダル"の、細部で微妙に裏切られるデリケートなメロディー展開がなんだかキリンジっぽいと思ったら、ホントに堀込泰行の提供曲だった。ヴォコーダー・コーラスのエレポップ感といなたいフォーキー・アレンジが同居したなかなか面白い曲。他に宮川弾によるオーケストラル・アレンジが施された"自己紹介をするよ"、矢野康博作の疾走ピアノポップ"みたことないこと"、西寺郷太の手によるほんのりディスコティックな"不思議なミラー"など、15歳の女の子なんだそうだけど、なかなかプロっぽいヴォーカルで、何というか90年代のガールポップが最近のシティポップ・リバイバルなセンスでアップデートされたような、ちょっと懐かしい感覚。
レット・イット・ボー / ジョンジョリーナ・アリー
08年。70年代フォークからハード・ロック、エレポップにディスコと、何でも器用にこなすバックの演奏陣とキュートでブレのない安定したヴォーカルで、ある意味安心して聞いていられる感じのプロフェッショナルな印象のコミックソング集。スティールパン入りのカリビアン・ラヴァーズサウンドに甘くメロウなメロディー、そして生理的にかなり嫌な歌詞の組み合わせが強力な"鼻毛ボー"がやはり印象的だけど、歯切れ良いアコギとスライドギターの絡みが気持ち良い、70年代の日本フォーク風の"また逢う、暇で"や、"ちょっときいてな"や"謝り上手"なんかを思い出す小気味良い関西弁ラップ"ジョンジョリーナ・アリーのRAP(嘆きのカーナビ)"とか、何気に結構イイ曲が多いような。