今日聴いたもの

Walrus / Walrus
71年。マイナー・ブリティッシュロックの紙ジャケ再発盤。管楽器を含む8人編成によるブラス・ロック/ジャズロック。グルーヴ感のあるリズムにザクザクしたギターリフ、キレのいいキャッチーなホーンとかかなり格好良いし、サイケポップ的なメロディーもなかなかイイ感じ。なんだけど、ジャズからブルース、ハードロック、フォーク、アフロやポルカまで取り込んだ幅広すぎる音楽性に、気持ち良いくらいド派手な曲展開、やけに暑苦しいヴォーカル、そしてひたすらブンブン唸って異様な存在感を放ち続けるベースとかが相まって、あまりに過剰で、思わず笑ってしまう熱血面白ロックに。全曲イイんだけど、先の読めない展開の長尺組曲"Rags and Old Iron/Blind Man/Roadside"が何といっても圧巻。
腹貸し女 / ジャックス
68年。若松孝二の映画サントラ。演奏だけだと確かにアングラ・ヌーヴェルバーグな雰囲気もあるけど、ヴォーカルが入ると一気に唯一無二のジャックスの世界に。聞きなれたアルバムの音に比べて全体にヨレた演奏がダルな空気を醸し出してて、トワイライト・ガレージ度がちょっとアップしてる感じ。アシッドなガレージ・バラード"由美子はいない"やGSっぽい"お前はひな菊"なんかは初めて聞けたけど素晴らしい。覚醒ガレージロックンロールに仕上がったカーナビーツの"お前に夢中さ"の微妙な違和感も印象的。いや、しかし今になって未聴のジャックスのレパートリーが聞けるなんて。"マリアンヌ"も「世界」ヴァージョンほど鬼気迫る感じはないものの、やはりこの曲の崩壊寸前の激しいアンサンブルはいつ聞いてもスリリング。