今日聴いたもの

Chaos 1978-86 / Wicked Witch
グニャリと時空が歪んだような異形の音世界に頭がクラクラくるワシントン産サイケデリック・エレクトロ。ギクシャクした千鳥足のリズムが癖になる宇宙ファンク"Fancy Dancer"から、スロー・テンポのスペーシー・ダブ空間に怪しい叫び声やナレーションがこだまする"Erratic Behaviour"、気持ち悪いファルセットヴォーカルをフィーチャーしたインダストリアル・エレクトロ"X Rated"と、頭がおかしくなりそうな曲が続く冒頭の流れが最高。唯一の70年代音源のプログレフュージョン大作"Vera's Back"やNWファンクな"Electric War"など、多少輪郭の分かりやすい曲もあるものの、それでもどれもまともな曲ではないのは確か。Em Recoeds再発。
天使の恍惚 / V.A.
72年。若松孝二の映画サントラ。全然覚えてないけどこの映画は昔観たような気がする。めちゃくちゃシンプルだけど印象的なサックスのテーマと冒頭からドシャメシャに荒れ狂うピアノとドラムが格好良い山下洋輔トリオによる絵に描いたようなアグレッシブ・フリージャズ"天使の恍惚 M-3"にはじまり、虚無的な女性ヴォーカルが歌うアシッドなジャパニーズ・トラッド・フォーク"ウミツバメ / 横山リエ"、若松孝二によるアジテーション"「俺は若松孝二だ!」"など、単なる劇伴集というより、当時のアングラ文化をコンパクトにパッケージした完成度の高いコンセプトアルバムという感じ。