今日聴いたもの

千回目の日曜日 / BAZRA
新作。"千回目の日曜日"に"本当の歌があるはずだから"、"理由"、"最後の約束"とか、洗練された泣きメロが炸裂するソウルフルなパンク・ロック路線が今回も快調。以前に比べて前向きなメッセージが増えてきてはいるけど、それでも生活に追われてるうちに決して若いとはいえない年代になってしまった、自分のような世代の痛いところを抉ってくるフレーズの数々が本当にしみる。「未来は目の前から姿を消した思い出のかけら」とか「賢くなれないから不機嫌になってった」なんて言葉を立て続けに浴びせられたら、ただうなだれるしか。特に"ドウスル?"、"メリーゴーランド"など、ファンク色強い楽曲での小技の効いたアレンジも相変わらずカッコイイ。
ランプ幻想 / Lamp
新作。「残光」もかなり面白かったけど、ここにきて一気に突き抜けた印象。メリハリの利いたメロウグルーヴ系シティポップやギターポップ的な楽曲を封印してるせいか、今までのような既聴感をあまり感じさせない独特の世界を確立してる感じ。ひたすら繊細でグルーミーな雰囲気で統一した構成になってて、初めから終わりまでイイ曲揃いのため息が出るような完成度。このグループの絶対的な強みであるナヨ声男子ヴォーカルと綿菓子のような少女声による甘く切ないツインヴォーカルとデリケートに展開する凝ったメロディー、映画音楽的でちょっとプログレッシヴ、時にエキゾティックなアレンジ、どれもすばらしい。唯一、途中で男女ヴォーカルがスイッチする黄金の必殺パターンが"雨降る夜の向こう"くらいでしか聞けないのがちょっと残念なくらい。
メロディ / 空気公団
これまで同様「ひこうき雲」「扉の冬」「サンシャワー」といった70年代ティンパン系女性SSW的な空気に満ちた静謐メロウな新作。ゆったりグルーヴするバンド・アンサンブルが心地良い。正直、ちょっと金太郎飴的に感じる瞬間もあるとはいえ、エレクトロニカなアレンジのユーモラスでキュートな"たぬきにもみえる"や、エコーのかかったコーラスが印象的なシャッフルビートの快活ポップ"素敵なもしも"、少しプログレっぽい"6度目の夢"、ちょっとダビーでアンビエントなアレンジが異色な"メロディ"といった曲が良いアクセントになってて、何より"街ノート"や"風の瞬間"といったキラーな曲を聴くとやはりこのグループって好きだなあとしみじみ思う。