今日聴いたもの

Roots / The Everly Brothers
レニー・ワロンカーがプロデュースした68年作。ヴィンテージな古い演奏に歌声、ラジオのナレーションなどが時々コラージュされるコンセプトアルバムっぽい作り。一時期のバーズを思わせるジェットマシーン・フォークロックの"Less of Me"やミステリアスな"I Wonder If I Care as Much"など、ちょっとサイケな感覚も見え隠れするんだけど、むしろ"Mama Tried"や"Less of Me"といったオーソドックスなフォーク・スタイルの曲での、爽快なんだけどどこか人工的な清涼ハーモニーに強くサイケデリックを感じたり。ランディ・ニューマン作の優雅なピアノ・ポップ"Illinois"からグルーミーなロンサム・フォーク"Living Too Close to the Ground"と続くソフトロックな流れがやはり素晴らしい。
Circles / William S. Fischer
71年。ユージン・マクダニエルのアルバムや、エディ・ハリスやユゼフ・ラティーフなどのちょっと変格なジャズ系レコードでアレンジやコンダクターを務めていたという人物のリーダー・アルバム。ヘヴィ・サイケともブルース・ロックともプログレともつかない、ラグドでアブストラクトなロック演奏に、重厚なチェロの5重奏とムーグやシンセが絡む、なんだか独特なジャズ・ロック。"Saigon"に"Green Forever"など、ビリー・コブハムのドラムがフリーキーにドタバタ暴れまくるファンキー・ロック路線や、ダウナーなシネマティック・ジャズロックの"Chains"とかかなりカッコイイんだけど、ノンビートのエクスペリメンタル電子音響インストや泣きの入った哀愁のアーシー・ロックなんかも入り乱れて、どうにも掴みどころのない感覚の1枚。Water再発盤。