今日聴いたもの

Samurai / Samurai
71年のマイナー英国ロック。展開の多い凝ったアレンジと、くぐもった空気感を持った、基本的には70年前後のブリティッシュらしいプログレ/ジャズ・ロック作法に則った音楽性なんだけど、全体に漂う洒脱でメロウなセンスがかなり異質で、特にラテン・フォーキーな隠し味が効いた"More Rain"や"Maudie James"、"Holy Padlock"といった曲は、肩の力の抜けたヴォーカルやデリケートなメロディーも相まって、ほとんどプレAORの域に達してるような。よりドラマティックでプログレ色の強い終盤の曲でも、ディティールはいちいちメロウでキャッチー。それでいてモダンポップ的なあざとさがないところがクールで、なんとも不思議な存在感のグループ。
Red Hot Blue Heaven / Ian Whitcomb
77年。英国産の架空アメリカン・ノスタルジア。スウィング黄金時代のジャズとラグタイムで彩られたミュージカル風の音楽性はすごくハーパース・ビザールっぽい。声色を使ったノベルティな雰囲気の曲も多いんで、ハーパースのようなソフロ的な快感はそれほどないものの、小技の効いたテクニカラーなアレンジがなかなか。お気に入りはディキシー・スタイルの"When the Bees Make Honey Down In Sunny Alabam'"に、マーチっぽい"The All-American Girl"といったバーバンクど真ん中な曲やノスタルジック系ピアノSSW風の"So Will I"など。