今日聴いたもの

Listen Of / Paul Bryan
73年。Sonar Kollektivから再発されたブラジルのSSW作品。中性的なナヨ声とデリケートなソングライティングが特徴的な、ほとんどブラジル色は皆無なフォーキーMOR作。ちょっとダウナーなラテン・フォーキー・グルーヴ"Like a Rainy Night"と、ピチカート・ファイヴ"眠そうな二人"みたいなイントロでヤラれる切ない美メロ・ソフトロック"Window"の2曲がなんといっても素晴らしい。後半、ちょっとサビの展開が大仰な曲が目立つのがちょっと残念だけど、ほとんど女性ヴォーカルみたいなハイトーン・ヴォイスで聞かせるジェントルなオーケストレイテッド・ポップ"Thais"や、スティーヴィーのサンシャインを髣髴とさせるエレピ入りラテン・フォーキー"Feel Like I Feel"、60年代A&Mテイストの"So Long"、マッカートニー系ソフトサイケな"Old Rock"など、胸にキュンとくるMOR佳曲が揃った1枚。
Justine / Justine
70年。英国の男女混声フラワー・サイケ・ポップ作のSunbeam再発盤。冒頭の"Flying/Love You More Than Is Good for Me To/Nostrils"の出だしの憂いに満ちた甘い女性ヴォーカルにクラッときて即買いしたんだけど、グルーミーなソフトサイケ・フォークからアーシーなディキシー・ロック〜アコースティックスウィングという紆余曲折展開にビックリ。全体に組曲スタイルのある意味ちょっとクドい曲が大半を占めてて、聞いてて疲れるところも。ただ、どの曲もピースフルな男女混声ハーモニーが魅力的で、ほとんどコラージュのように曲想がコロコロ変わる10分超えの大作"Mini Splurge/Mr. Jones/Is That Good. That's Nice"なんかも各パーツを取り出すと単純にイイ曲なんで、洒脱なハーモニー・フォーク・ロック"Traveller"や甘酸っぱいフェアリー系フィメール・フォーク"See Saw"みたいなコンパクトな曲がもっとあると良かったかも。