今日聴いたもの

The Good, The Bad, The Ugly / Willie Colon
75年。ルンバにボサやサンバが混ざったようなリズム・アレンジと哀愁のラテン歌謡メロディーが相まって、どこか昭和40年代的な洒脱ムードを感じる"Toma"と"Cazangero"、ビートでジャンプな上昇気流系ボサ歌謡"Cua Cua Ra, Cua Cua"、エグいトレモロ・ギターが炸裂するテキーラ風メキシカン・インスト"Dona Tona"、B級アクション・サントラ風のアッパーなニューソウル・ファンク"MC2"と、サルサの類型をはみ出した多彩な楽曲が次から次に。エリオット・ランドールのギターをフィーチャーして先の読めないプログレッシヴ展開を見せる濃縮イージーリスニング・インスト"I Feel Campesino"とか、後のソロ作品で開花する洗練された雑食指向みたいな感覚がだんだん明確になってきた感じ。エクトル・ラボーとのコンビ最終作。
Corazon Guerrero / Willie Colon
82年の自作自演盤。浮遊感に満ちたストリングスや柔らかな女声コーラスなどを配したソフィスティケイテッドな流麗アレンジに、先の読めない展開や変則的なリズム、奇妙なSEなどが散りばめられた、なかなかプログレッシヴなMOR歌謡ラテン。凝った音作りと対照的に相変わらず一貫して軽妙洒脱なヴォーカルもクールで素敵。マシュケナダっぽい雰囲気ではじまる冒頭のシネマティック大作"Corazon Guerrero"がとにかく圧巻で、他にもフックの効いた出だしのメロディーにいきなり掴まれるファンキーな陽性ラテン歌謡"Amor Barato"、ちょっと下世話な哀愁ナンバー"Casanova"、スウィート&メロウなディスコ歌謡スタイル"Dormido, No"など、美メロと躍動リズムが最高な1枚。キャロル・キングの"Will You Love Me Tomorrow"カヴァーあり。