今日聴いたもの

The Hustler / Willie Colon
68年。「El Malo」に続く2作目。前作の"Willie Whopper"や"Skinny Papa"のようなヒップなブガルー路線は影を潜めて、全体にちょっとテンポ・ダウンした印象はあるものの、1曲目のエキゾティックなムード・ラテン・ジャズ"Hustler"やマンボっぽい陽性歌謡ラテンナンバー"Montero"、ほのぼのしたミッドテンポ・ブガルー"Guajiron"といった曲で乱れ打たれるパーカッションやフリーキーなピアノソロなど、端々にパンクな感性が。ハードボイルドなスロー曲"Que Lio"や典型的なブガルー・スタイルとマイナー調の哀愁歌謡を融合させた"Eso Se Baila Asi"もお気に入り。
Guisando / Willie Colon & Hector Lavoe
69年。後のブラジル路線の萌芽を感じなくもないキャッチーなタイトル曲に、カリプソっぽい"Titan"や"Oiga Senor"、「カラムーチョ!」な掛け声入りの、昭和テイストなエキゾティックなムード歌謡ラテン"No Me Den Candela"など、楽曲ごとの多彩なリズム・バリエーション、先の読めないリズムチェンジを見せる一筋縄ではいかない曲展開など、一気に世界が広がった感じ。そして何といっても、全編に渡って洒脱にフリーキーに、縦横無尽に弾きまくるジャズなピアノがカッコイイ。
Cosa Nuestra / Willie Colon
69年。前作のやけに複雑になったリズム・アレンジを継承しつつも、軽快なリズムに乗って朗々とした歌声とハツラツとしたコーラスが絡む明朗歌謡ラテンが次々に飛び出し、4作目にしてついに歌謡サルサな世界に突入。重量感のあるピアノ・リフが格好良いムード・グルーヴ歌謡"Juana Pena"、クールでユーモラスなホーン・アレンジが印象的な、ちょっとマーティン・デニー的なエキゾティカ歌謡"Sangrigorda"、チンピラ・ムード・コーラスという趣のブルージーなスローナンバー"Tu No Puedes"とか最高。