今日聴いたもの

La Gran Fuga / Willie Colon
70年。悪そうな指名手配ジャケのイメージに反して全体的にいなたくユルい雰囲気。ちょっとブガルーを引きずったような前半のチンピラ・サルサな流れはまだしも、マイナー調の曲が並ぶ後半は、ほとんどラテン・ムード・コーラスの世界。とはいえ相当パーカッシヴなんだけど。しかしこれが割とイイ感じで、"Barrunto"や"Panamena"あたりの昭和40年代ムードはなかなかグッとくるものが。
Solo / Willie Colon
79年。ヴォーカル転向後初のアルバムなんだそうだけど、これがメチャクチャ素晴らしい。映画音楽っぽい流麗でキレのあるホーン&ストリングスにキャッチーな女性コーラスや過剰な現実音SEを絡めつつ疾走する冒頭の"Nueva York"にいきなりノックアウト、さらに甘いヨーロピアン・シネマ風のラテン歌謡"Sin Poderte Hablar"、謎のカンフー入りミュージカル・インスト"Chinacubana"とまったく息つく暇もない展開。すごくお洒落でありつつド迫力なこのホーンとストリングスのアレンジは何なんだろう。さらに肩の力の抜けたヴォーカルが何とも粋で。
後半、比較的オーソドックスなサルサと思わせて筒美京平もビックリなツギハギ展開を見せる"Juancito"から、刑事ドラマのサントラ風のハードボイルド・インスト"Colonizaciones"を挟んで、爽快なMORサルサ"Mentiras Tuyas"と続く流れも最高。とりあえず、このアルバム前後の音源からこの人を聴き進んでいくことに決定。