今日聴いたもの

novella d’amore / 渚ようこ
07年。これまで好きになれそうであと一歩のところでハマりきれないところがあったんだけど、このアルバムは完璧かも。冒頭の火曜サスペンス劇場エンディング系のマイナー歌謡"愛の果てに"でいきなり引き込まれて、バカラッキシュなメロディーにヤラれる洒脱でピースフルなボサ歌謡"あたらしい私"や、フレンチなお洒落ボサ歌謡っぽくはじまって予想外のR&B展開を見せる土屋昌巳作品"恋するあやつり人形"、確かにやたらとかっこいい疾走ラテン歌謡"かっこいいブーガルー"など、単なる昭和歌謡風に終わらないヒネりの効いた曲作りにグッとくるイイ曲がいっぱい。全体に漂うエキスポ・ムードも素敵。
たであい / 青柳拓次
07年。軽やかにリズムを刻むアコースティック・ギターと呟くような歌に、曲によって様々な楽器がそっと彩りを添える静謐なフォーキー・ミュージック。メロウなフォーキー・ワルツにまるで遠景のように和楽器演奏が加わる"お囃子"や、一瞬流れ出すクラリネットのフレーズに胸を締め付けられる"右耳"、途中からさりげなく女性コーラスが加わる"弦二本"など、コトバとメロディーはもちろんアレンジも含めて、どの曲もどこか俳句のような美意識を感じる。エキゾティックで洗練されたメロディーが印象的な"クロの車"と"花茶"は、思わずキリンジ細野晴臣を同時に連想してしまう名曲。