今日聴いたもの

エレクトラム / 石川晶とカウント・バッファローズ
70年。1曲目の20分越えのスピリチュアルなジャズ・ロック組曲"ELECTRUM"がとりあえずスゴイ。アブストラクトなオープニングから一転、超高速なベースがとにかく凄い疾走展開を見せ、かと思うといきなりミステリアスなラーガ調パートを挟んで、最後はドシャメシャなフリー・セッションで締めるという、なかなか飽きさせない大作。他も、急速調4ビートから徐々にフリーキーになる"REVULSION"、少しカンタベリーを感じるダウナー・グルーヴ"THE EYEBROW"など、同時代のニュージャズに近いシリアスなジャズロックにガッツリ取り組んでいて、どの曲も聞き応えがあるんだけど、ただ、正直なところ、日本人の演ってる直輸入的なクラブミュージックを聴いてるときのような、ちょっとした居心地の悪さも同時に感じてしまうのも事実。
赤坂レアグルーヴ / V.A.
多分60年代後半から70年代はじめの、洋楽ヒット曲のインストゥルメンタル・カヴァー・アルバムからセレクトされた、コモエスタ八重樫監修の和物レア・グルーヴ・コンピ。グルーヴィーでありつつも全体に漂うユルい空気感になごめる1枚。スパイムードのイントロからのどかな男声コーラスに突入する"ダンス天国 / ザ・ワンダース"やペナペナなラーガ・ガレージの"デイ・トリッパー / ザ・ワンダース"といった脱力系や、シタールがフィーチャーされた"タイトン・アップ / ソール・メッセンジャーズ"など、微妙にユーモラスなひとひねりが楽しい。唯一のオリジナル曲"ユメがほしい / 石川晶とボサ・ロック’68"もぬるま湯グルーヴな感じが心地良いイージー・ラテン・インストで全然違和感なく溶け込んでる感じで。特にお気に入りは、ブレイクビーツ的なダウンテンポが格好良いチェンバロ入りバロック・グルーヴの"小さな青いリンゴ / 山本邦山"にラテン・バロックな"誓いのフーガ / 山本邦山"、ため息女声コーラス入りのクールなラテン・ビート・インスト"サニー / 横内章次とボサ・ノヴァ・セヴン"。