今日聴いたもの

イエイエ / 朱里エイコ
60年代後半のシングルに未発表曲9曲を加えたP-VINE編集盤。とりあえず1曲目、タイトル・トラックのオルガン・ガレージ・ビート"イエ・イエ"がヒップで格好良すぎるんだけど、他もラテン・ジャズ・タッチの"マシュ・ケ・ナダ"に"恋のおとし穴"、ファズがうなるヘヴィー・サイケなR&B歌謡"まぼろしの声"、ダブル・ヴォーカルの一人デュエットが楽しい"恋のアングル"や"悪魔のとりこ"といったマイナーGS歌謡など、全編に渡って若々しくソウルフルなヴォーカルが炸裂するイカした曲が連発で、ドメスティックな歌謡曲カンツォーネ風の絶唱バラードなんかもそれなりに収録されてはいるものの、一人の歌手の編集盤でグルーヴィーないわゆる和モノの含有率がこれだけ高いアルバムも珍しいかも。 いなたいR&B歌謡"聞いてほしい"にクールなジャジー・ビート歌謡"ノッポの恋人"、濃厚な"イパネマの娘"カヴァーなど未発表曲も充実。
可愛いグッド・ラック・チャーム / 梅木マリ
62年から64年にかけてのほぼ全音源を収録した、こちらもP-VINE編集盤。歯切れの良いキュートなヴォーカルとガーリーな訳詞で聞かせる甘酸っぱいカヴァー・ポップスの数々。デビュー曲の"可愛いグッド・ラック・チャーム"をはじめ"プレイング・ゲーム"や"ジングル・ベル"など可愛いシャックリ唱法を聞かせるロックンロール路線のほか、80年代のオールディーズ系アイドル歌謡にも通じるポップな雰囲気がたまらない"モナ・ムール"、ヴィンテージなオルガンが最高な"パパもママも嘘つきよ"や"箱入り娘は嫌よ"といったトゥー・メニー・ルールズ系、ドリーミーなキラキラ弦アレンジにときめくジョニー・エンジェル系の"ゆるしてほしいの"に"フルーツカラーのお月様"、小粋にスウィングする"ピーナッツ"などなど、秀逸なトラックが目白押し。なかでも、珍しく有名曲のカヴァー"ボビーズ・ガール"に"マイ・ボーイ・ロリポップ"はパーフェクト。もちろん"トムとジェリー"も最高。