今日聴いたもの

Heart Is A Lotus / The Michael Garrick Sextet With Norma Winston
70年。Argo原盤の英国ジャズ・ロックのサバービア再発。セクステットの構成はドン・レンデル、イアン・カーなど。ハープシコードをフィーチャーしたダイナミックなバロック・ジャズ・ロックと、ノーマ・ウィンストンの清楚でミステリアスなヴォーカルが絡み合ってめくるめく展開を見せる"Heart Is a Lotus"がとにかく最高。
その英国フォーク的なフェアリー・ジャズ・ロックとでもいうべき独特の音世界のインパクトが強すぎて、初聴時は正直言って他の曲は霞んでしまったんだけど、カーリン・クローグ風のヴォーカリゼーションをフィーチャーしたミステリアスなアブストラクト・ジャズ・ヴォーカル曲を中心に、軽快な急速調4ビートやサックスがむせび泣く哀愁バラードなども織り交ぜてなかなか多彩で面白いアルバム。
Fairytales / Radka Toneff & Steve Dobrogosz
82年。ノルウェーのフィメール・ジャズ・ヴォーカル物。呟くような囁くような歌とポツリポツリと弾かれるピアノによって紡がれる静かなバラード集。ジム・ウェッブの"The Moon Is A Harsh Mistress"やエルトン・ジョンの"Come Down In Time"など、ポップス寄りカヴァー曲での内省的女性SSWっぽい雰囲気にまずは惹かれるけど、だんだんオリジナル曲やジャズ系スタンダード曲の、静謐さが彼岸の域に達したような現実離れしたムードに引き込まれて抜けられなくなる感じ。特に"My Funny Valentine"の幽玄さはちょっと背筋が冷たくなるほど。