今日聴いたもの

Spacebox / Spacebox
81年1st。ウリ・トリプテのヘヴィにうねるベースを中心に、ズンドコしたドラムや調子はずれなサックス、かきむしり系ギターという編成でくりひろげられる、ぶっこわれブルース・ロックというか、オルタナプログレというか、そんなフリーキーな演奏に呪術的なヴォーカルや語りが絡む、どこかNYノーウェイヴ派に通じる世界。ファズベースがうなるアグレッシブなヘヴィ・サイケ・ブルース"Sing Sung Song"や、変幻自在な展開で気がついたら15分超えの長尺セッション"Tape Talk"とか、何だか得体の知れないパワーが渦巻く1枚。激しいジャズロックのバックに古いポピュラー音楽やナレーションのレコードがコラージュされる"Dapp-Da"はグルグル的な諧謔味を感じさせて、これが一番お気に入り。
Kick Up / Spacebox
83年2nd。とりあえず1曲目、ちょっと昭和40年代っぽい香りが漂うニューロック風インスト"Session Groove"がかなりカッコイイ。ヘヴィなファンキー・ビートに軽やかに舞うフルート。グルーヴィーかもしれない。"Intermodulator"や"Roundabound"といった千鳥足のヨレヨレ・ジャズロック路線もフリーキーな中にどこか哀愁が漂ってて、他にポストパンク的に再構築したサイケ期アニマルズとかドラッグ漬けのクリームみたいな曲など、基本的に前作同様の脱臼アンサンブルなんだけど、こちらは微妙にキャッチーな曲が多い感じ。しかし、そうはいっても最後はズンドコ・リズムに乗ってギターとヴァイオリンが荒れ狂うノイジーなフリー・インプロ"Introfunction"でシメ。