今日聴いたもの

The Gentle Soul / The Gentle Soul
男女ツインヴォーカルを擁した米国西海岸のグループによる68年アルバム。凝った展開を見せる室内楽フォーク・インスト"Overture"から、チェンバロ入りのバロック・フォーク2曲が続く冒頭の流れが絶品で、特に"Song for Eolia"の優雅な陽だまりムードはたまらない。そして"Renaissance"や"Dance"といったフルート入りの牧歌的なフラワー・フォーク曲でのソフトロック的な手触り。キレの良いスライドギターをフィーチャーした"Young Man Blue"など、時にアーシーなテイストを感じさせつつも、どの曲も英国トラッド・フォークに通じる格調高さやフェアリー感があって、まさにグループ名どおりのジェントル・フォーク。Sundazed再発盤。
Sir Douglas Quintet + 2 = Honky Blues / Sir Douglas Quintet
68年。前に聞いた「Together After Five」の一見アーシーでユルい雰囲気の中に見え隠れしていたサイケな感覚が、ここではより先鋭的に現れてる印象。ジョージア・オン・マイ・マインド風のメロウでブルージーなR&Bバラードが、だんだんエモーショナルに盛り上がったかと思うと、いつのまにかテクニカルなジャズ・ロックになる"Sell A Song"とか、エコー漬けのフィドルがアシッド感満載のR&Bフォークロックが、途中からまたもやジャズになる"Whole Lotta Peace Of Mind"、ダウナームード漂うグルーヴィーなブルースロックが今度はエスニックなスピリチュアル・ジャズ化する"You Never Get Too Big And You Sure Don't Get Too Heavy, That You Don't Have To Stop And Pay Som e Dues Sometime"と、毎回オチが同じなんだけど、どうにも面白い。極めつけはフリージャズなイントロで始まる"Song Of Everything"で、浮遊感に満ちたメランコリックなジャズロック・サイケなんだけど、これがかなりヒップで格好良い。