今日聴いたもの

鈴木慶一 CM WORKS ON・アソシエイツ・イヤーズ(1977-1989) / 鈴木慶一
先に出たムーンライダーズCM集で聞いた"バイバイボーイ バイバイガール"や"ひとりよりふたり"にはかなり感激したけど、その2曲以外にもムーンライダーズのポップな面や下世話なところを拡大したような、ちょっとヒネくれつつもグッとくるフックが散りばめられたイイ曲が満載。他のCM曲集に比べて、一瞬のインパクトよりはひとつの曲としての完成度を追求して作られてる曲が多い印象で、実際にCM音楽として機能を果たしているのかどうかはよく分からないけど、単純にポップスのアルバムとしてなかなか密度の濃い1枚。
ベストトラックは"ヴァージニティ"をレゲエっぽくしたような切ない名曲"丸井「ねむねむクジラ」"とか、エレキインスト調の"資生堂シャワーコロン"や爽快フォークロックの"丸井「夏の創業50年祭」"といった「青空百景」系、対位法っぽい男女デュオスタイルで聞かせるジェントルなMORポップ"AGF マキシム・レギュラーコーヒー"など。加橋かつみを迎えて"花の首飾り"をパロッた"大塚「食品ファイブスター」"や、パーカッシヴなエレクトロ・サウンドに"スカーレットの誓い"なコーラスが乗る"浜松西武「宝さがしと夢さがし」"なんかの遊び心も楽しい。それにしても"日産スタンザ「家物語」"にはビックリ。あれもCM曲だったとは。
In Our Nature / Jose Gonzalez
07年2nd。相変わらずギターとパーカッションのみの簡素な演奏で、静謐なダウナーAORフォークとでもいうべき、おそろしく洗練された世界を展開。何よりキリンジ弟にも通じるこの甘くメロウな歌声の魅力には抵抗しがたい。ビンビン響く低音弦がクールな1曲目の"How Low"からミニマルなギターリフが心地良いラストの"Cycling Trivialities"まで、イイ曲ばかりなんだけど、淡々としたボサ調の"In Our Nature"や、ハンドクラップ入りのサンバ・フォーク"Time to Send Someone Away"など、Zero7への参加作で聞けたマッカートニー系SSWなテイストを感じさせる曲が特にお気に入り。マッシヴ・アタックの暗黒トリップホップをアシッド・フォーク風に仕上げた"Teardrop"もなかなかの飛び道具だけど。