今日聴いたもの

樋口康雄 CM WORKS ON・アソシエイツ・イヤーズ(1972-1991) / 樋口康雄
タイトルどおりのCM作品集。ヤングな躍動感溢れる1曲目の男女混声ハーモニー・ポップ"SEIKO「In The Summertime」"から、メロウなナヨ声ピアノ・ロック"数寄屋橋阪急'74"、ワルツテンポのウィスパリンな女声スキャット・ナンバー"ロンジンクラフトマンシップ」"と続く冒頭の3曲は再評価後のパブリックイメージそのままのソフトロック路線。以後もカリビアンファンクやミュージカル・ディスコなど次々に飛び出す、ひらめきに満ちた30秒のサウンド・スケッチの数々には確かに才気を感じるけど、聞き進むにしたがって、大河ドラマ風の壮大なニューエイジ系シンフォニーや清涼な弦楽コンチェルトなど、個人的にはやや匿名的に感じるクラシカルなインスト曲ばかりになってきて、ちょっと辛い感じ。それでも時々現れるエキゾティック物やコーラス・ナンバーにはやはりグッとくるけど。
Scatbird / Barry Miles
フリーソウルのコンピで聞いた"Sound Song"の印象が鮮烈だったピアノ&エレピ奏者の72年リーダー・アルバム。浮遊感のあるメロウさを漂わせつつ奔放な展開を見せるジャズ・ロックの数々は、どこかミナス物やカンタベリー系に通じる雰囲気で、クロスオーヴァー・ファンクの"Scatbird"やグルーヴィーな変拍子チューン"Latina"など、特にスキャット入りの曲が魅力的。あとは、全員が一丸となって突っ走る"Arrows And Eagles"とか、急速調の曲でのエレガントかつアグレッシヴな演奏も気持ちイイ。P-VINEのMainstreamジャズ・ファンク再発シリーズの1枚。