今日聴いたもの

From Another World / Sid Bass
56年。スペース・エイジなバチェラーパッド感に満ちたジャケに惹かれて購入したんだけど、いわゆるモンド系のソレというよりは、映画音楽的なオーケストラル・ビッグバンドジャズに時々スペーシーでミステリアスな電子音楽が絡む、ちょっとユーモラスなラウンジ・イージーリスニングと言う感じ。レトロSF映画のサントラっぽいイントロから急速スウィング展開を見せる"How High The Moon"に、怪奇映画風の電子音楽が一転してテクニカラーなオーケストラ演奏になる"East Of The Sun"、まるでダブを予見したようなエフェクトが施された"Star Dust"とか、程よい刺激が心地良い和みの1枚。
エッセンシャル・ベスト / 金井克子
70年代のシングル曲をAB面曲織り交ぜてコンパイルした編集盤。ソフトなヴォーカルに流麗なコーラスをフィーチャーした、"他人の関係"の延長線上にある洒脱な軽グルーヴ・ムード歌謡がやはり多いんだけど、想像以上にソフィスティケイトされた楽曲の数々にシビれる。"他人の関係"をさらにバタ臭くしたような"人間模様"や、めくるめく美メロ展開を見せるハーモニー・ポップ歌謡"波止場エレジー"、フレンチ・テイストのメイクラブ物"ああ無情"、優美なワルツ歌謡"朝陽のように"など、ムード歌謡版クロディーヌ・ロンジェとでも言いたくなるようなウィスパー歌姫ぶり。地声で力強く歌うタイプの楽曲も、シュールな歌詞が最高な"エロスの朝"やアクショングラマーな"蜜の誘惑"といったブラスロック歌謡に、ルイス・フューレイにも通じるインモラルなユーモア漂うタンゴ歌謡"三角関係"とか、これまたカッコイイ。