今日聴いたもの

Sitar Beat 〜 Indian Style Heavy Funk Vol.2 / V.A.
Guerilla Reissue編集盤。膨大なボリウッド音楽をやみくもに聞き漁っててもなかなか出会えそうにないダンサブルでキャッチーな曲を選りすぐったセレクトで、フックの利いた楽曲とサービス過剰な面白アレンジの連続で飽きさせない1枚。特にKalyanji Anandjiという人の仕事が凄くて、疾走感満点のガレージビート"Wada Karle Sajna / Kalyanji Anandji feat. Lata Mangeshkar & Mohd. Rafi"、ラテンで純邦楽風でフレンチな"Nigahon Ka Adaon Ka / Kalyanji Anandji feat. Asha Bhosle"にバトゥカーダでエレキでペイント・イット・ブラックな"Laila O Laila / Kalyanji Anandji feat. Amit Kumar, Kanchan & Chorus"といった無国籍の極みのインセンス・グルーヴ、イントロで挿入される笑い声がヒップな7分超えの大作サイケファンク"Pyar Zindagi Hai / Kalyanji Anandji feat. Lata Mangeshkar, Asha Bhosle & Mahendra Kapoor"など、どれも昭和のR&B歌謡を思い切りアナーキーにしたような強力な世界。
他にもアングラ前衛映画のサントラっぽいサイケなフリージャズ・インスト”Freak Out Music / R.D. Burman”、電子音とSEにまみれたクール&ストレンジなラテン歌謡"Tera Jasia Pyara Koi Nahin / Usha Khanna"、アシッド・ムードに満ちた漂うメロディーが心地良いスペーシーなミニマル・グルーヴ歌謡"Phir Teri Yaad / Hemant Bhosle feat. Asha Bhosle"、壮大なシンフォ・オーケストラとヘナチョコなディスコ・ビートのギャップが強烈な"Bekaraar Bekaraar Bekaraar Kiya / Laxmikant Pyarelal feat. Amit Kumar & Shailendra Singh"など格好良いのか可笑しいのか分からない奇怪な曲がいろいろ。
La Belle Epoque 〜 Emi's French Girls 1965-68 / V.A.
フランスEMI音源をコンパイルしたスウィンギン・ロンドン・ミーツ・イエイエな60年代ガールズ・コンピ。ファズやオルガンがうなる"Partie De Dames / Liz Brady"、"Rouge-Rouge / Christie Laume"といった「Here Comes The Girls」シリーズに入っててもおかしくないような高音圧なグルーヴィー・ビート・ポップと、性急なリズム上にエレガントなピアノ・フレーズが乗る"Amuse-Toi Bien / Alice Dona"やシャンソンっぽいダウナー・ポップ"A Trop Repeter Bien / Alice Dona"、ズンドコ・リズムで疾走するユーモラスなキューティ・ポップ"Agathe Ou Christie / Christie Laume"など、いかにもフレンチな曲が同居した、まあ、そんな風な構成。
で、この盤の目玉は女2男1編成の3人組Les Roches Martinで、ライナーにペットサウンズなスウィングル・シンガーズとか30年早かったステレオラブとか書かれてるけど、確かにダバダバしたサンシャインポップ"Les Mains Les Poches"に、ドラマティックな室内楽ハーモニー・ポップ"Tu As Peur De Bruit"、エキゾティックなペットサウンズという風情の"C'est Toi Qui A Gache Notre Vie"と、収録されてる曲はどれもキラーな感じ。あと、そのガーリーで甘酸っぱい歌声に即死な、Ria Bartokの”Ecoute Mon Coeur”と”J'y Pense Tout Bas”のA&Mバカラックな雰囲気もかなりお気に入り。