今日聴いたもの

ベンチャーズ・ヒットを歌う! 二つのギター / 小山ルミ
71年。自身の代表曲"二つのギター"と"さすらいのギター"のほか、"雨の御堂筋"や"北国の青い空"などのベンチャーズ歌謡を片っぱしからカヴァー、さらにベンチャーズのヒット曲に日本語を載せた曲で構成。全体に昭和40年代の軽グルーヴ歌謡が満喫できる好盤で、どの曲も勢いがあって気持ちイイ。
ファズがうなるスパイ・ムードのビート歌謡"さすらいのギター"に、疾走感満点の"二人の銀座"あたりが特にお気に入りで、同じく和泉雅子/山内賢の"東京ナイト"は、はじめて聞いたけど、モダンなセンスと美メロが素敵な名曲。京都モノをはじめとしたお馴染みのジャパネスク路線も、ビートとグルーヴが強調されて、かなり新鮮。何より胸をかきむしられそうな切ないヴォーカルも素晴らしい。しかし、なんといってもインパクト大なのが"10番街の殺人"と"急がば廻れ"で、どちらもテケテケしたエレキ演奏と千家和也によるエグい歌詞の組み合わせにクラクラくる。特にラウドでアグレッシヴな"急がば廻れ"は最高。
ロックン・ロール・ミュージック / 小山ルミ
73年。ニール・セダカポール・アンカなどのアメリカン・ポップスのカヴァー集。60年代のカヴァー・ポップスに70年代前半の歌謡曲的なセンスを加えた感じのアレンジで、小山ルミのヴォーカルも巻き舌交じりのポップス寄りのもの。なんだけど、いまひとつハジケ不足というかあんまり勢いがない印象も。とりあえず"小さな悪魔"と"すてきな16才"でニール・セダカの才能を再認識。日本語で聞くと、改めてユニークないいメロディー。あとはニューロック+ブラスロックな"恋の片道切符"、昭和パヤパヤ・テイストの粘っこいファンキー歌謡"カラーに口紅"がお気に入り。
ビートルズを歌う / 小山ルミ
73年。千家和也による日本語詞でビートルズをカヴァーという企画。といっても千家和也らしいアクの強い歌詞ではなくて、他愛のないモノがほとんどで、そういう意味での面白さはあんまりないかな。まず"レット・イット・ビー"や"ヘイ・ジュード"などのバラード系の楽曲は普通にMOR歌謡してて、ほとんど違和感がないけどまったく刺激もない感じ。やはり"抱きしめたい"、"プリーズ・プリーズ・ミー"、"デイ・トリッパー"といったビート・ナンバーでの、おなじみのイントロに日本語の歌が続く、軽いギャップ感が面白い。特に"カム・トゥゲザー"は強烈。あと、ガレージな勢いがある"オール・マイ・ラヴィング"と、ブルージーなブラスロック・アレンジの"ゲット・バック"は普通にカッコイイと思う。