今日聴いたもの

スタジオ・ムッシュ / かまやつひろし
79年。前作のAOR路線に飄々としたユーモアを交えて、本来の軽妙な持ち味とメロウな音作りが巧く融合した感じのシティポップ傑作盤。狂騒的な雰囲気だった内田裕也版にくらべると随分スタイリッシュなファンキー・ロック"ボブ・ディランは今、何を考えているか?"(木の実ナナがカヴァーしてたシェリーズの引用あり)、バンカラで切ないメロディーとAORレゲエなアレンジの組み合わせが面白い"青春どんづまり"、"サテンドレス"路線のディスコティック・ロック歌謡"ウラトビサスケ使えない"、完璧な和製メロウグルーヴ"ブラッド・スウェット&ティアーズ"、シャッフルビートの洒脱なエレピ・バラード"あきらめてみませんか"など、全曲本人の自作曲なんだけど、これがかなりの粒ぞろい。"20才の頃"や"バンバンバン"といったセルフリメイクも新鮮なアレンジで素晴らしい。
パイナップルの彼方へ / かまやつひろし
79年。キラキラしたアコギのストロークが気持ち良い"Groovin'"系AOR"Do You Wanna Ride"で始まり、フュージョン色全開のサックスに清涼オルガンをフィーチャーしてメロウAORに生まれ変わった"No No Boy"、ちょっとオリエンタルなアレンジの"Summer Love Again"、エレピとアコギによるシンプルなアレンジが素敵なトワイライト・メロウチューン"Sun Bird"と、ひたすらライトタッチでリラクシンなAORが続いてマッタリ。と思ったら後半は一転、下世話なクロスオーヴァー・ラテン歌謡に、ワイルドなブルース・ロック、不思議ムードのエレピ弾き語り"と、とりとめなく妙な雰囲気になってきて、ついには不協和音ピアノにフリーキーなギター、ムシ声コーラスなどが飛び交うジャカ弾きアシッド・フォーク"Up In The Pineapple"でダメ押し。リズムボックスに乗って分厚いハーモニーを聞かせるラストの"Summer Girl"もなんだかトロピカル・サイケな趣。