今日聴いたもの

ムッシュ・ファースト・ライヴ / かまやつひろし
78年。ライブ盤で、曲目はスパイダーズの曲が大半、ということで、実はあんまり期待してなかったアルバムなんだけど、これがメチャクチャ最高。アーシーなファンキー・ロックとクロスオーヴァーな感覚が同居したグルーヴィーな演奏に乗って、スタジオ盤より全然格好良い、かまやつひろしのヒップなロックンローラー振りが全開な1枚。セカンドライン・ファンクな"フリフリ"からメロウ・クロスオーヴァー・アレンジの"あの頃君は若かった"と続く序盤で思い切り掴まれて、あとは緩急つけた構成で最後までテンションが落ちずに一気に聞かされてしまう。微妙にラフな"ゴロワーズ"も原曲の良さを全然損なってないし、ラストのルーズなロケンロール"のんびりいくさ"のドラムがまた格好イイ。"つづけ青春たちよ"は以前聞いたときはピンと来なかったけど、改めて聞くとドラマティックなアレンジがなかなか素敵なソフロ寄りMOR歌謡でちょっと再発見。70年代歌謡ロッククラシックの"サテンドレスのセブンティーン"はシングル・ヴァージョンも収録。
ウォーク・アゲイン / かまやつひろし
78年。メロウなシティ派ニューミュージック路線な1枚。1曲目のギター・カッティング系のファンキーAOR"W.4th st."は、ジャパニーズ・メロウ・グループど真ん中のメチャクチャ心地良いイイ曲。ただ深町純の妙にクドいシンセ・アレンジとのミスマッチ感が独特な味わいを醸し出してて、ちょっとモンドな感じも。続く"12時の賛歌"は少しピアノSSW寄りのしっとりした美メロ曲なんだけど、シンセ・アレンジはさらに過剰になって、ほとんど70年代の産業系アメリカン・ハードのよう。全編に渡ってそんな調子のアルバムだけど、山本達彦のペンによるメランコリックなシティポップ"レイニー・サタデイ・ナイト"は普通にイイ曲で、これがベストトラックかな。2枚ともクリンク再発。