今日聴いたもの

pied-piper / 宮川弾アンサンブル
06年。70年代のプレAOR系SSWやシティ・ポップ風の楽曲を流麗でキレのある管弦楽演奏でくるんだ、格調高くもどこか懐かしい雰囲気の歌モノと、ちょっとバーバンクな香りも漂う不思議なインスト群。重厚な管弦楽スウィング"inc."から、矢野顕子坂本龍一ラインのキュートで凝ったメロディー展開にヤラれるA&MテイストのMOR傑作"あたらしいみち feat.土岐麻子"、そしてちょっとサイケなストリングス入りの流麗カントリー・インスト"high-lonesome?"と続く流れがなんといっても最高。他に、いい声の組み合わせの男女デュエット曲で切ないムードのダウナー・ポップ"あめまち feat.直枝政広&のらん"、ノスタルジックなキューティーポップ""てがみ feat.のらん"もかなりグッとくる名曲。それにしてもやけに女性ヴォーカル陣の巻き舌率が高いんだけど、そんな中で太田裕美の歌声を聞くとホッとする。
始まりは“まごころ”だった。/ 太田裕美
06年。アルバムの大半を占める地味なフォーキー曲をこんなにもキラキラと輝かせる甘酸っぱい歌声。静かに凝ったメロディーのノスタルジック・バラード"夢見る頃にさよならを"とか本当に泣ける。特にお気に入りはシャッフルビートの洒脱なピアノポップ"Do I Do,You Do"に、拓郎メロディーのスペクター系オールディーズ歌謡"すぐに君の声を"、カントリー・フォーキーMOR調の自作曲"道"など。全体に70年代っぽい雰囲気が心地良い1枚。ただ、ここまで健在な歌声を聞いてしまうと、かつてのような野心的な曲を聞いてみたい気も。