今日聴いたもの

Alegria Tropical / Wilson Simonal
85年。シモナルのダンディーなスモーキー・ヴォイスとハツラツとした集団コーラスの対比が面白いブラジル歌謡盤。躍動感に満ちたサンバ・ビートにキレのあるホーン・アレンジがご機嫌な"Quero Ver Descer, Quero Ver Subir/Foi Brincar No Mar"で始まり最後まで曲間ナシのノンストップ構成。子供時代のマックス・ヂ・カストロの初々しい歌声に和むキッズ・ソフトロック調の"Expresso da Alegria / Ai Vem o Pato"やアッパーで切ないカルナバル路線"Baiana Boa"、A&MなホーンをフィーチャーしたクロスオーヴァーAOR"Vou Entrar Na Danca"にメロウなAORボサ"A Beleza Do Seu Canto"など、個人的にすごくツボなイイ曲が多数の充実盤だけども、なんといってもグルーヴィーで切ないソウルフルなハーモニー・ポップ"Desabafo E Alegria"が絶品。
Rosinha De Valenca / Rosinha De Valenca
73年。女性ギタリストが全編に渡ってヴィオロンを弾き倒すブラジリアン・クロスオーヴァー。パーカッシヴな早弾きに、アグレッシヴなカッティングが炸裂する1曲目の疾走チューン"Caboclo Ubiratan"から凄まじい。全体にグルーミーな空気が漂う1枚で、不思議なムードの室内楽ブラジリアン"After Sunrise"、不穏でどこか物悲しいプログレッシヴなブラジリアン・グルーヴ"Araponga"、エキゾティックでミステリアスな音響をバックに不協和音的で不条理なギターを聞かせる"Cuica"といった少しアヴァンなセンスの楽曲が並ぶ中盤の流れが特にお気に入り。