今日聴いたもの

メルヘン・ポップ / ティン・パン・アレー
79年。当時のコンテンポラリーなMORサウンドと混声ハーモニー・コーラスで、童謡やわらべうたなどを演奏した企画盤。洒落たアレンジにコード進行、60年代ポップスの引用とか、和製ソフトロックと呼びたくなる瞬間も時々あるけど、基本的には凝ったメロディーの曲は少ないんで、ちょっと聞き方が難しい感じ。ただ、リブ・フォー・トゥデイなイントロから予想外のめくるめく展開を見せる"げんこつやまのたぬきさん"、ほのぼのMORがフレッシュなガールズ・ポップに変貌する"大きな栗の木の下で"、メロウAOR的なアレンジに切ないメロディーが泣ける"たき火"の3曲はかなり最高。他にティン・パン・アレーらしい粘っこいファンキー・ロック"猫ふんじゃった"やハイサイ・おじさん+サイダーな"お使いアリさん"、グリーン・タンバリンなエレキ・シタールが印象的な"森のくまさん"など。
日本民謡を歌う / 弘田三枝子
63年。前田憲男アレンジによる宮間利之とニューハード・オーケストラの演奏をバックにソウルフルな歌で聞かせる民謡カヴァー・アルバム。"おてもやん"をはじめとしたバキバキのビッグバンド・スウィングから、まさに和風ラテンな"会津磐梯山"、スピリチュアルですらあるダウナー・エキゾティック路線の"斉太郎節"まで、全体にクールなヴァイブが効いた洒脱な雰囲気。そしてR&Bテイストを加えた"ソーラン節"はさすがにヒップで格好良い、このアルバムのベスト・トラック。
70’s シングル・コレクション / 児島美ゆき
69〜74年のシングル曲集。アダルトな雰囲気の曲調と、乙女チックな歌詞やハツラツとしたヴォーカルとのギャップが味わい深い軽グルーヴ系清純派ムード歌謡と、オールディーズ風メロディーや和製A&Mなホーン入りのヤング・ポップス路線。小唄っぽいメロディーを取り入れたキューティ・グルーヴ歌謡"美ゆきの愛のサンバ"、ユーモラスな歌詞が面白い"恋をしたのママ"、オールディーズ調のヤング歌謡路線"恋はかけひき"など、突き抜けたインパクトはないものの、結構グッとくるメロディーの曲が多い印象で、中でも74年の初期ディスコ歌謡"あなたの部屋で"と、音頭モノと思わせて意表を突かれる洒脱なメロディー展開が最高な"シャンパン小唄"はかなりイイ。企画モノでは、メロディ・ネルソン〜アイ・ライク・ロンドン系のベースが格好良いダウナーなやさぐれ歌謡"ワンパク兄弟"がお気に入り。