今日聴いたもの

Brazil Now! / G/9 Group
68年。ドン・サルバドールやウィルソン・ダス・ネヴィスらによる洒脱なピアノ・ジャズ・サンバに、ハスキーなウィスパリング・ヴォイスの女性ヴォーカルとジェントルな男声コーラス。セルメン風のアップナンバー"Ponteio"(ハンド・クラップ入り)や、イントロでノックアウトされるブラジリアン・ソフトロック"Sambou…sambou"、バーデン・パウエルの疾走カヴァー"Deixa"など、混声ハーモニーで聞かせるアップテンポの曲は文句なく最高。ただ、1曲目の"P'ra Que Chorar"なんかはそうでもないんだけど、全体に女性ヴォーカルが前面に出る曲では、コケティッシュというか何というのか、独特な音程やリズムの不安定さが気になるかな。Sonoramaというレーベルからの再発盤に日本語ライナーを付けてP-VINEから発売したCD。
Selda / Selda
76年。シンプルな弾き語りフォーク・シンガー然としたジャケのイメージに反して、ターキッシュ・トラッドな濃いめの歌のバックで、ファズがうなりチープなシンセ音やSEが飛び交う、なかなか過剰なフィメール・エスニック・サイケ歌謡。ある意味、70年前後の日本のロック/R&B歌謡に近い構造かも。ちょっと変拍子っぽいリズムの"Meydan Sizindir"をはじめ、"Mehmet Emmi"、"Ince Ince"、"Yaylalar"、"Niye Cattin Kaslarini"あたりのファンキーなヤツが特にイイ。
でも実は、トラッド・フォーキーでファンキー、そして当然ファズ入りサイケな"Utan Utan"、グッとくる切ないメロディーにグッとくる、ちょっとキューティー歌謡要素もあるメロウ・ファンキーな"Anayasso"(途中でマヌケな男性コーラスが加わる腰砕け展開も)、ワウ・ギターと民族楽器のアンサンブルが不思議な味わいのターキッシュなニューソウル歌謡"Nem Kaldi"など、ボーナス・トラックがアルバム曲以上にお気に入り。Finders Keepers再発。