今日聴いたもの

Candonbe For Export+Candonbe Liso / Mike Dogliotti
ウルグアイのオルガン奏者による、70年と72年のアルバム、71年のシングル2枚の音源を収録したVampisoul編集盤。カンドンベというリズムなんだそうだけど、正直、ラテンやサンバのリズムとあんまり区別がつかない。とにかく70年の「Candonbe For Export」が最高で、パーカッション、ベースにオルガンという簡素なアレンジで矢継ぎ早に繰り出される短いエキゾティックなラテン・インストの数々は、ほのぼのとしたイージーリスニング感を漂わせつつも、どこかポストパンク〜ネオアコ的なすがすがしさを感じる。明るく切ないメロディーにキュンとくる"Nunca, Nunca"、クールに疾走する"Chicalanga"、昭和歌謡テイストの哀愁ナンバー"Baile de los Morenos"など、ワルター・ワンダレイ風の清涼な音とムーグっぽいファニーな音色の2台オルガンの絡みが何ともヒップでキュートな雰囲気。
72年の「Candonbe Liso 」はサックスやフルート、ピアノなどが加わってアンサンブルは少し厚めに、リズムもパワフルになって、前作のキッチュな味わいは残しつつも、ラテン/ブラジル物のクロスオーヴァーに近づいた感じ。まあ悪くはないけど、「Candonbe For Export」ほどの鮮烈さはないかも。よくあるオブスキュアなレアグルーヴっていうか。シングル曲ではメロウなジャズ演奏にビートルズ風の歌がコラージュされる不思議な"Yacumenza"と、ちょっとガレージっぽいイージー・ビート・インスト"El Candomble"が印象的。