今日聴いたもの

Can Cladders / The High Llamas
Drag Cityからの新作。かつて「Hawaii」でお腹いっぱいになってしまって、以来全然買ってなかったんだけど、セレクト合戦で聞かせていただいた1曲目の"Old Spring Town"にビックリして、あわてて購入。優雅でかつビートの効いたアレンジが素敵な室内楽フォーキー・ソフトロックで、改めて聞いても最高、と浸ってると、このアルバムはそれだけじゃ終わらず、コンパクトでメリハリのある構成、グルーミーでキレのあるメロディー、適度なビート感という、理想的なソフトロックが次から次に登場、しかも曲ごとに多彩な趣向が凝らされていて、コレはかなり名盤の気配が。
ノスタルジックなピアノSSW風の切ないメロディーがサビで一気に弾ける"Winter's Day"、発掘CDでもなかなか出会えそうにない絵に描いたような60年代ソフトロック"Clarion Union Hall"、ソフロなルーツ・レゲエという驚きの導入から甘酸っぱいシャッフルビート展開を見せる"Rollin'"と即死級の曲がゴロゴロ。プリファブ・スプラウトがソフロ化したような"Bacaroo"や"Can Cladders"みたいな曲に顕著だけど、全体に女声ヴォーカルやコーラスの使い方が絶妙すぎる。
Beet, Maize & Corn / The High Llamas
03年。同じくDrag Cityから。こちらは「Hawaii」と地続きなヴァン・ダイク・パークス+ブライアンな雰囲気で、全編を通じて退廃的なまでに流麗なストリングスにヴァイブ、バンジョー、柔らかなヴォーカルとハーモニーにトロけそうになる白日夢的な1枚。"Calloway"や"Click and the Fizz"、"Leaf and Lime"あたりの、少しマッカートニーっぽいメロディーのエキゾティック室内楽路線も、かなり好きな感じだけど、ベストトラックは、ちょっとミュージカルっぽい構成で、やはりスウィートな女声コーラスたまらない"Porter Dimi"。まんま「フレンズ」な曲調にダビーなギターが加わる"High on the Chalk"も面白い。