今日聴いたもの

Mos Def & Talib Kweli Are Black Star / Black Star
Hi-Tekらが手がけるトラック上で、Talib Kweliの甲高い声とクールなMos Defがテンポ良く掛け合う、98年のRAWKUSクラシック。モロにダンスホールな"Definition"はともかく、全体にダビーな引きずるようなベースラインが醸し出す不穏なムードが印象的な1枚。クロスオーヴァー・テイストのメロウな歌モノ・ラップ"Brown Skin Lady"から、派手なスクラッチ入りで80年代ヒップホップっぽいアップ・ナンバー"B Boys Will B Boys"、ミニー・リパートン使いのとろけそうにメロウな"K.O.S. (Determination)"と続く、真ん中あたりの割りとキャッチーな流れがやはり取っ付きやすいけど、何度か聞くうちに、だんだん終盤のダルでダウナーな深海メロウ・トラック3連発にハマってくる。特に"Thieves in the Night"の不穏で切ない雰囲気は最高。
The Audience's Listening / Cut Chemist
06年。ヒップホップのアルバムを聞いていて、メインの曲よりお遊びっぽいイントロ/アウトロやインタールード的な曲の方に惹かれることが結構あるんだけど、コレは全編そればっかりで作られたようなアルバム。冒頭のオールドタイミーなネタをコラージュしたスウィンギン・ヒップホップ"Motivational Speaker"から遊び心全開で、エレキ・インストをブレイクビーツ化したような"(My 1st) Big Break"や、ブラジリアンなビリンバウ演奏に流麗ストリングス、おまけにアストラッド・ジルベルトそのまま使いの"Garden"とか意表を突かれるアイデアの数々が楽しい。それでいて、どの曲もぶっといタフなリズムトラックがカッコイイ曲ばかり。ベストトラックはコーデッツ風のスキャット・コーラスが疾走マシンビートに乗る"Metrorail Thru Space"と、ドラムン風のリズムとアコギのカッティングの異様に巧いハマリ具合にシビれる"Peak in Time"。