今日聴いたもの

Sunny - A Collection Of Various Interpretations Of / V.A.
"Sunny"の有名アーティストによるカヴァーを集めた独ルーフ・ミュージック編集コンピ。飛び道具的なびっくりアレンジはほとんどないものの、男女ヴォーカルとインスト物をシャッフルして飽きない工夫がなされた構成で、しかも、ちゃんとBobby Hebb版を冒頭に配した親切なつくり。
ジョージー・フェイムやアンディ・ウィリアムスなど、男性ヴォーカルのものは、だいたい原曲に忠実なんだけど、そんななかブルージーな演奏をバックにデスパレイトなシャウトを聞かせる、荒涼感に満ちたウィルソン・ピケット版が異彩を放ってる感じ。あと、ロバート・ミッチャム版は女声コーラス・アレンジがかなり素敵。
女性ヴォーカルは基本的にジャジーなアレンジで、ビッグバンド・スウィンギンなダスティ・スプリングフィールド、メロウなラテン・ジャズのハービー・マン&タミコ・ジョーンズ、ドリーミーなオーケストラル・バラードのナンシー・ウィルソンと、なかなか多彩だけど、一番インパクトがあったのはウエスタン・サントラ風のシェール。なんというか音が押し寄せてくる感じがたまらない。終盤は"さらばシベリア鉄道"みたいだし。
インスト物では、哀愁漂うガレージ・ギターとオルガンでメロウかつダスティに聞かせるブッカーT&MG'Sと、逆にギターがメロディーを弾くバックでチープなオルガンが鳴ってるベンチャーズが良かった。他にアーサー・ライマン、スタン・ケントン、ジミー・スミスなど。まあ曲が曲だけに、どれもイージーリスニングっぽい雰囲気。
Veneer / Jose Gonzalez
05年。Zero7のアルバムで魅力的な歌声を聞かせてくていれたSSWの1st。ただただ静謐でメランコリック。シンプルながら印象的なリフを繰り返すギターに、甘い歌声で歌われるメランコリックなメロディーがかなり浸れる。ニック・ドレイクなんかを思わせる英国フォーク風、ベン・ワットみたいなチェリーレッド・テイストのネオアコ風、さらにはZero7同様のノスタルジックSSW風ポップ・ナンバーにブラジリアン・フォーキーまで、全編、ほぼギターとパーカッションのみの簡素なアレンジなんだけど、決して単調にならず、淡い彩りを感じる1枚。