今日聴いたもの

Mouth in the Clouds / The Group Image
68年。NYのコミューン・バンドによる、アシッド・ムードが充満したヒッピー・サイケ盤。男女ツインヴォーカル・スタイル。ベルベッツが凶暴になったような疾走轟音サイケ"Hiya"は別格として、ジャジーなスウィング・ナンバーやら、ヴォードビル、カントリー調フォークロック、ブルース・ロックと、かなり多彩な音楽性で、「ヘアー」なフラワー・ハーモニー・ポップ"New Romancing"みたいなショービズ・テイストの曲をサラリとこなしたりするあたり、ガレージな録音の割には意外に器用な人たち。凝った展開の曲が多いし。先にあげた2曲の他には、フィードバック・ノイズが格好良いソニック・フラワー・グルーヴ"Banana Split"とファンキーなリズムのGS調ガレージ"Grew Up All Wrong"が特にお気に入り。FALLOUT再発盤。
Harumi / Harumi
68年。Verveから発売されていた日本人HARUMIさんの2枚組アルバムの2in1再発。とにかく、オリジナルではレコードの片面に1曲ずつ収録されてた長尺の2曲がスゴイ。"Twice Told Tales of the Pomegranate Forest"は、アブストラクトなヴァイブとパーカッションに、三味線や琴、笙などの和楽器が入れ替わり立ち代り現れるジャパネスク・エクスペリメンタルな演奏をバックに、モノローグともセリフともつかない喋りが延々と続く曲。そして"Samurai Memories"は、めちゃくちゃグルーヴィーなファズ&オルガン・サイケ演奏に乗って、HARUMIさんとその家族たちがHARUMIさんの生い立ちや、若者と大人の対立について、ロックンロールとは何かといったことを語り合うという異様な曲。微妙にフリーキーなヴァイオリンやホーンがカッコイイ。
もう1枚の方は、歌モノ志向のサイケ・ポップ集で、派手なジェットマシーン・サイケにグルーミー・ポップ、R&Bスタイルなど、いろいろやってるけど、やりたいことに歌唱力が追いついてない印象で、聞いてて少し痛々しい気分に。哀愁漂う室内楽ビート"Hunters of Heaven"やヴァイヴ入りのR&Bナンバー"Fire by the River"、ベルベッツ系のドローン・ロックに妙に人懐っこいメロディーが乗る"We Love"なんかは、すごく惜しい感じなんだけど。FALLOUT再発盤。