今日聴いたもの

Raga Rock / The Folkswingers
68年。ジャラーンとシタールが鳴った後、おもむろに始まるやけに軽快な"黒くぬれ"。ファズ・ギターが主旋律を奏でて、シタールが執拗にそれに絡むというスタイルで、"霧の四次元"や"ノルウェイの森"といったシタール物をはじめ、当時のロック系ヒット曲の数々を取り上げた、ちょっぴりサイケなエレキ・インスト・アルバム。ほとんど津軽じょんがら状態のシタール早弾きがかもし出す、何ともいえないバカバカしい空気が魅力で、特にちょっと翳りのあるメロディーの"Along Comes Mary"や"Kicks"など、イカれGSみたいでイイ感じ。一番クールなアレンジの曲が"ドナドナ"だったりするのがまた下らなくて。実はレッキング・クルー系の面々によるスタジオ仕事。FALLOUT再発盤。
Friar Tuck & His Psychedelic Guitar / Friar Tuck
67年。マイク・ディージーというギタリストとカート・ベッチャーが中心になったスタジオ・プロジェクト作品。どの曲も出だしはポップなんだけど、ヘヴィーでフリーキーなギターと偏執的な立体コーラスが奇妙なバランスで絡み合いながら、フリークアウトした展開を見せる不思議な曲ばかり。ルーリード風のトーキング・スタイル・ヴォーカルのフォーク・ロックにトミー・ロウ"Moon Walk"風な高音コーラスが被さる"Sweet Pea"から、浮遊感のあるフラワーなハーモニー・ポップと化した"Louis Louis"、バロックとエクスペリメンタル系電子音楽とブルース・ロックがミックスされた"Work Song"と続く、冒頭の脱構築カヴァー3連発がインパクト大だけど、メイク・ディージーのオリジナル曲群もかなり狂ってる。ボーナストラックのシングル曲は割と普通のハーモニー・サイケ。FALLOUT再発盤。